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倫理一問一答集 現代思想(実存主義除く)

高校倫理の実存主義を除く現代思想の一問一答と正誤問題です。当ページの問題は随時追加しています。

一問一答

(1) (   )は未開部族を調査し、その未開社会が西洋文明に比する『構造』を持っていると主張した上で、未開社会を西洋社会より劣っているとする考え方を批判した。

(2) ロールズは主著(   )で『正義』というものを解き明かした。

(3) アドルノとホルクハイマーが属する学派を(   )という。

(4) フロムは主著(   )において、現代人の自由に耐えられず権威にへつらってしまう性質を分析した。

(5) (   )が『孤独な群衆』で、現代人は他人指向型であると説いた。これは自分で自分を決められず、自分を他人の基準に合わせて作ることである。

(6) フーコーは近代社会を(   )という監獄と対比させて、現代人は社会に監視されていると主張した。

(7) アドルノとホルクハイマーが著した(   )では、文明を発展させた啓蒙が野蛮なものになっていると述べている。

解答

(1) レヴィ=ストロース
(2) 正義論
(3) フランクフルト学派
(4) 自由からの逃走
(5) リースマン
(6) パノプティコン
(7) 啓蒙の弁証法

正誤問題

(1) レヴィナスは啓蒙の弁証法を著して、それまで文明の発展に寄与してきた啓蒙というものが人間そのものを支配しようと暴力性を持ちつつあると説明した。

(2) 社会は人間を規格化し、規格外の人間を排除しようとすると、フーコーは現代社会のあり方を批判した。

(3) リースマンは近代以前の社会では人々は内部指向型であり、現代に至って外部指向型になったとしている。

(4) フロムは『孤独な群衆』において、責任の所在を自分に求められず、権威に卑下する大衆の性質を分析した。

(5) 分析できるものと分析できないものを分けて、分析できないものについては沈黙しなければいけないとウィトゲンシュタインは説いた。

(6) ジャック・デリダは構造主義の第一人者であり、様々な哲学の発生により生まれた形而上学的理論を一度棄却し、プラトン的立場から西洋哲学の構造を解き明かした。

(7) 現象学を提唱したフッサールは自然を一度そのままの形で認識しなければいけないと説き、そのためには従来の自然観であるエポケーを捨てることが重要だとした。

(8) ソシュールは、人間の世界観はその人間が使用している言語に規定されるとして、言語の構造を研究した。

(9) ハーバマスは対話的理性という言葉を用いて人々のコミュニケーションが小さな共同体の維持において重要な役割を果たすと述べながらも、国家の運営ではシステムがコミュニケーションを超えて機能するとした。

(10) レイチェル・カーソンは『沈黙の春』にて農薬による生態系の破壊を批判した。

(11) レヴィ=ストロースは未開社会の研究を通して未開文明に高度な構造があるとし、西洋至上主義を強く批判した。

(12) ホルクハイマーによれば、近代文明を作り上げた理性は合理性を追求するあまりそれまでの人間的理性から経済的理性に変わった。

解答

(1) ×(啓蒙の弁証法はアドルノとホルクハイマーが著した)
(2) ○
(3) ×(リースマンは近代以前の人々を伝統指向型と呼んでいる。近代社会の人々が内部指向型である。伝統、内部、外部という順を覚えよう)
(4) ×(『孤独な群衆』はリースマン)
(5) ○
(6) ×(デリダは構造主義ではなくポスト構造主義で、脱構築という考えからそれまでの形而上学的哲学を批判して再構築した)
(7) ×(エポケーは日本語で『判断停止』であり、現象をそのままの形で認識するために必要なもの)
(8) ○
(9) ×(国家レベルでもシステムとコミュニケーションは両方必要である)
(10) ○
(11) ○
(12) ×(理性は道具的理性になった)

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