トルエンやキシレンなどの芳香族炭化水素とオルト、メタ、パラ異性体

ベンゼン環と芳香族化合物の基本にあるように芳香族化合物は6つに分けられる。今回はその1つである芳香族炭化水素を扱い、芳香族化合物の異性体について学ぶ。

芳香族炭化水素はベンゼン、トルエン、キシレンなどがある。

芳香族炭化水素7

1つのCH3がついたものをトルエン、2つのCH3がついたものをキシレンという。キシレンはCH3のつきかたによって次の3パターンがある。

芳香族炭化水素8

芳香族化合物の異性体を考えるときは、上図のように正六角形の一番上の頂点に最初に置換基を書く。そのうえで二番目の置換基を書くようにする。

2つの置換基がどれだけ離れているかでオルト、メタ、パラという言い方をする。同じキシレンでもオルト、メタ、パラによって沸点がまったく異なる。キシレンの場合、パラキシレンが最も沸点が高く、メタキシレンが最も低い。

なぜキシレンは5種類でないか?

正六角形の各頂点に二つの置換基が置かれるとすれば、キシレンは5種類あるはずだが、実際はオルト、メタ、パラの3種類しかない。これは下図のようにひっくり返して同じものは同じと考えるため。

芳香族炭化水素9

ベンゼンの化学的な性質

芳香族化合物の各物質の細かい性質はあまり出ないものの、ベンゼンはよく出る。

ベンゼンは水より軽く、さらに水に溶けない。水に溶かすと水の上にくる。

芳香族炭化水素10

しかし同じ有機物には溶けるため、ジエチルエーテルにベンゼンを入れると混ざってしまう。

またベンゼンはヨウ素を溶かす。ヨウ素は溶けて水は溶けないのは、ベンゼンが無極性分子のため。無極性分子は無極性分子を溶かすが、極性分子は溶かさない。

無極性分子 … ベンゼン、ヨウ素 極性分子  … 水、塩酸

ポイント 無極性分子は無極性分子と仲がいい。極性分子は極性分子と仲がいい。

ベンゼンは特有の匂いと毒性をもつ。安全な薬品ではない。ベンゼンはかなり安定した物質で不飽和有機化合物のように水素と簡単に反応することはない。しかしニッケルを入れると水素と連鎖的に反応して、シクロヘキサンになってしまう。

ベンゼン+水素(ニッケル触媒)→シクロヘキサン

また同様に、ベンゼンと塩素もただ混ぜただけでは反応しないが、光を当てるとやはり連鎖的に反応してヘキサクロロシクロヘキサンになる。

ベンゼン+水素(光)→ヘキサクロロシクロヘキサン

ヘキサクロロシクロヘキサンは各炭素に水素と塩素が一つずつくっついたもの。炭素間結合はすべて単結合。