中3理科 原子の構造(電子、陽子、中性子)とイオンの基本

水素や酸素といった各物質を原子という。原子は原子核と電子からできている。地球が太陽の周りを回っているように、電子も原子核の周りを回っている。太陽の直径は地球の直径の約 100 倍であるが、原子核(例えば水素の原子核)の直径は電子の直径の約 10 万倍である。

原子はとても小さいが、電子はさらに小さいということがわかる。

原子核はさらに陽子と中性子からできている。電子、陽子、中性子はそれぞれ次のような性質をもつ。

800px-Atom_(PSF) Pearson Scott Foresman, 60s era line-art drawing of an atom, Licensing: public domain.

電子  electron 陽子  Proton 中性子 neutron 原子核 nucleus

イオン

原子にある電子と陽子の数は(基本的に)同じであり、電子が 2 個あるときは陽子も 2 個ある。電子が 23 個あるなら陽子も 23 個ある。このとき 23 個のマイナス電気と 23 個のプラス電気があるため、全体として電気は 0 になる。

(-23) + 23 = 0

しかし原子は電子を放ったり受けとったりすることもできる。

自分のもっている電子を放つと、その分だけプラスの電気を帯びて陰イオンになる。逆に自分のもっていない電子を余計に受けとると、その分だけマイナスの電気を帯びて陽イオンになる。

例えば 23 個の電子、 23 個の陽子をもつ原子が、 1 個の電子を放った場合を考えよう。このとき電子は 22 個、陽子は 23 個だから

(-22) + 23 = 1

1 個だけプラスが多くなり、陽イオンとなる。あるいは逆に 1 個の電子を受けとった場合を考えると、電子は 24 個、陽子は 23 個だから

(-24) + 23 = -1

1 個だけマイナスが多くなり、陰イオンとなる。

イオン式

イオンはイオン式で表す。イオン式は元素記号の右肩にプラスまたはマイナスをつける。陽イオンであればプラス、陰イオンであればマイナスをつける。

Na+ … Na が 1 個の電子を放った陽イオン K+ … K が 1 個の電子を放った陽イオン H+ … H が 1 個の電子を放った陽イオン Cl- … Cl が 1 個の電子を受けとった陰イオン

Mg2+ … Mg が 2 個の電子を放った陽イオン O2- … O が 2 個の電子を受けとった陰イオン

では鉄(Fe)が 3 個の電子を放った陽イオンはどのようなイオン式になるだろうか?

解答 Fe3+

原子がイオンになる式

電子は e- で表す。例えばナトリウム(Na)が 1 個の電子を放って陽イオン(Na+)になる式は

Na → Na+ + e-

今までなにげなく書いていた Na は実は Nasup>0 と考えることもできる(この表現は間違っている。絶対に書いてはいけない)ので、上の式の右肩の数だけを見ると

0 = 1 + (-1)

ということになる。続いて原子が電子を受けとって陰イオンになる反応を考えよう。

Cl + e- → Cl-

これも右肩に数だけを見れば

0 + (-1) = -1

ということになる。

原子がイオンになる式の例

イオンを理解するためには、次のような式をとにかく覚えることがてっとり早い。化学は基本的に覚える学問であり、それは高校になっても変わらない。

H → H+ + e- K → K+ + e- Ag → Ag+ + e- Mg → Mg2+ + e2- Ca → Ca2+ + e2- Zn → Zn2+ + e2-

Cl + e- → Cl- O + e2- → O2-

陽イオンになる原子は多いが、陰イオンになる原子はやや少ない。

電離

食塩などの物質は水に溶けると陽イオンと陰イオンに分かれる。これを電離という。電離は化学において最も重要なポイントの一つであり、試験でも必ず出る。

食塩は NaCl であり、ナトリウムと塩素が一つずつくっついた物質である。食塩が水に溶けると、ナトリウムと塩素はバラバラに分かれる。

電離の式 NaCl → Na+ + Cl-

ナトリウムは陽イオン、塩素は陰イオンの形をしている。つまり下の式は間違い。

NaCl → Na + Cl

と書いてはいけない。

すべての物質が水に溶けるとイオンとイオンに分かれるわけではない。食塩な特殊な例といえる。例えば砂糖を水に溶かしてもイオンとイオンに分かれるということはない。

電離の例と性質

電離する物質(食塩など)は水に溶けて陽イオンと陰イオンに分かれるが、このとき水溶液は電気を通す。つまり食塩水は電気を通す。

しかし電離しない物質(砂糖など)は水に溶けて陽イオンと陰イオンに分かれないので、水溶液は電気を通さない。

つまり物質が電離しているかどうかは、その物質が溶けた水溶液に電気が通るかどうかでわかる。

電離する物質の例