生命倫理〜遺伝子組み換え技術、ゲノム医療、代理出産|高校倫理・現代社会

医学や医療を科学からのみならず社会的、宗教的に考えることを生命倫理という。医学はめざましく発展しているが、ヒトゲノムといった一部の技術は差別を引き起こすのではないかという懸念もある。

遺伝子組み換え

ワトソンとクリックが遺伝子の構造を発見してから遺伝学は進歩し、1970年代から遺伝子組み換え技術が発達した。遺伝子は生物の情報を持っており、遺伝子を書き換えればその生物そのものを変えることができる。これを利用して一部の農作物などに応用された。

ヒトゲノム

日本では人の遺伝子を解読するという計画(ヒトゲノム計画)は2003年に終了し、個人の遺伝子情報に基づいて医療を行うというパーソナルゲノム医療が期待されている。

しかし遺伝情報を悪用すると、教育や社会生活において差別や排除といった問題が生まれる可能性がある。また、遺伝情報は最も重要な個人情報であり、自分の遺伝情報は「知る権利」「知らないでいる権利」「他人に知られない権利」をもち、医療機関などはそれらの情報を慎重に扱わなければいけない。

代理出産

代理出産とは、子宮に問題のある女性が第三者の子宮を借りて子供を生むことである。日本では代理出産を規制する法律はないが、病院などが自主的に規制している。

ある日本人夫婦がアメリカの女性に代理出産を依頼し、子供を生んだが、2007年、日本の最高裁判所は実子と認めない判決を下した。このように代理出産に関する問題はまだ解決されていない。代理出産はホストマザー型とサロゲートマザー型の2つがある。

  • ホストマザー型
  • サロゲートマザー型

ホストマザー型とは、自分の卵子と夫の精子から受精卵を作り、代理母に移植すること。サロゲートマザー型ではさらに、代理母は卵子も提供する。サロゲートマザー型で生まれる子どもは、第二した母ではなく代理された母(サロゲートマザー)が遺伝学上の母になる。

QOL

どのように生きるかという生活の質を重視するQOLという考えがある。QOLは、生きているという状態よりも、どのように人間らしい生活を送っているかという点を重視する。

QOLは生命の価値は等しいという思想(SOL)としばしば対比される。

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