定期テスト主義は受験失敗を招く:受験対策のPDCAと定期テスト対策のPDCAは異なる

勉強ができるようになっても受験で成功するとは限りません。勉強ができるようになることはあくまでも最低条件であって、その上にプランを立てて合格実現までのPDCAサイクルを行っていくという作業があります。

PDCAサイクルはPlan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Act(改善)のサイクルを繰り返して事業効率を上げるというビジネスの現場でよく使われる基本的な考え方です。これは受験勉強にもそのまま当てはめられます。

受験勉強におけるPDCAサイクル

P 現実的な目標成績を設定し、現実的な学習計画を立てる。 D 勉強する。 C 実力テストで自分の成績を評価する。 A どうすれば成績が上がるか考える。

話を戻して、定期テストでいい点をとることに夢中になって受験対策を怠っている人は、受験に失敗しやすくなります。なぜなら受験に必要なPDCAと定期テストで必要なPDCAは大きく異なるからです。もっと端的に言うと計画がまったく違います。例えば定期テストでいい点をとるためには、理系の人は文系の科目、文系の人は理系の科目に一定レベルの時間を費やさなければいけませんが、受験に勝つためにはそれがあまり必要でない(センター試験などに使う科目を除く)からです。

東大に入りたいという目標を持った瞬間、各科目にふりわける勉強時間の最適な比はある程度決まってしまいます。定期テスト主義になってしまうと、理想的な時間(資源)配分は達成されません。定期テストでもいい点をとり、受験にも勝つという理想を簡単に達成してしまう同級生がいるかもしれませんが、理想はあくまでも理想とするほうが無難と言えます。

ポイント

  1. PDCAサイクルをもとに受験勉強に励む。
  2. 定期テストと受験とではPDCAサイクルが異なる。
  3. 定期テスト主義という理想主義から抜け出す必要がある。

学校のテストはテキストや先生の方針をもとに作られますが、それが大学受験に直結するものかわかりません。自分の受けたい学校があまり出題しない分野を必死にがんばっても、効率を重視する受験生にとってモチベーションの持続がきつくなります。焦りも生まれます。

学校の試験勉強と受験勉強が合致しない。それは、多くの高校生が塾に行く最大の原因かもしれません。もし合致しない場合、いたずらに真面目に期末対策しても本人にとって長期的な効果は得られない可能性がある。

さらに定期テストでいい点をとると、そこで満足して終わる可能性が高い。国語、数学、社会、理科、英語、技術、音楽、体育…すべてを万能にこなしていい成績をとることが大学受験の成功につながるかというと、そうではありません。例えば理系私大を受ける方にとって大切な教科はあくまで英語、数学、理科で、学校でいい成績をとるために国語を奮闘してもあまり意味がない。しかし国語をがんばっていい点をとるとそこで満足し、数学をもっと鍛えようという気持ちにならないことがある。定期テストの勉強はがんばるが、受験勉強はあまりやらない。それは本末転倒です。

時間も努力も量に限度があるので、定期テスト勉強と受験勉強にふりわける時間と努力の量は常にコントロールする必要があります。なんでもがんばってしまう方はほどほどにやろうという気持ちで学校の試験にのぞむとちょうどいいかもしれません。

定期テストがどれだけ受験に沿っているか、一度よく考えることが必要です。自分の行きたい大学の試験と学校の定期テストを比べて似ていると言えるか。似ていないと思ったら定期テスト主義を捨てなければいけません。