電解質溶液と非電解質溶液の沸点上昇度と凝固点降下度

不揮発性物質を溶かすと沸点が溶媒の沸点より上昇し、凝固点は溶媒の凝固点より降下する。これを沸点上昇と凝固点降下という。

非電解質の沸点上昇度と凝固点降下度

例えばスクロースをある濃度で溶かしたスクロース水溶液の沸点は $101\ {}^\circ\mathrm{C}$ になり、凝固点は $-3\ {}^\circ\mathrm{C}$ になる。しかし溶媒(水)の沸点は $100\ {}^\circ\mathrm{C}$ 、凝固点は $0\ {}^\circ\mathrm{C}$ である。

沸点上昇度と凝固点降下度は溶質に関係なく溶液の質量モル濃度に比例する。つまり溶液の濃度が濃ければ濃いほど沸点は上昇し、凝固点は降下する。また溶質がスクロースからエタノールなど別の物質になってもその度合いは変わらない。

非電解質の沸点上昇度 \[ \Delta{t}=K_{b}m \] 非電解質の凝固点降下度 \[ \Delta{t}=K_{f}m \] ここで $K_{b}$ はモル沸点上昇という定数、 $K_{f}$ はモル凝固点降下という定数、 $m$ は溶液の質量モル濃度である。

スクロースは非電解質であることに注意。

電解質の沸点上昇度と凝固点降下度

では食塩などの電解質はどうだろうか。電解質溶液も非電解質と同様、溶液の濃度に比例して沸点は上昇し、凝固点は降下するが、ここでいう濃度は単純な濃度ではなく、電離後の溶質とイオンの物質量の合計を溶媒の質量で割った値(以降「電離後の濃度」と呼ぶ。当ページオリジナルの用語)である。

例えば食塩は完全に電離するとしよう。質量モル濃度 $0.1\ \mathrm{mol/kg}$ の食塩水の電離後の濃度は $0.2\ \mathrm{mol/kg}$ である。

NaCl → Na+ + Cl-

電離すると物質量は $2$ 倍になる。この電離後の濃度が電解質溶液の沸点上昇度と凝固点降下度を決定する。

電解質の沸点上昇度 \[ \Delta{t}=K_{b}m_{i} \] 電解質の凝固点降下度 \[ \Delta{t}=K_{f}m_{i} \] ここで $K_{b}$ はモル沸点上昇という定数、 $K_{f}$ はモル凝固点降下という定数、 $m_{i}$ は溶液の電離後の質量モル濃度である。

食塩はほぼ完全に電離するが、例えば酢酸など中途半端に電離する溶質は計算が難しくなる。

雑学

モル沸点上昇とモル凝固点降下の添字は $K{b}$ と $K{f}$ だが、これは沸点と凝固点を英語で

沸点  … boiling point
凝固点 … freezing point

というためである。

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