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連載 ミニ自己啓発

燃え尽き症候群(バーンアウト)の原因と改善・解決法:疲れやすいと思ったら5つの項目をチェックしよう

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私はこれまで何度か燃え尽き症候群を経験していますが、その時の経験と得られた知見について話したいと思います。燃え尽き症候群とは、努力が報われなかったことで激しい倦怠感と虚無感を味わうことをいいます。例えばウィキペディアには

一定の生き方や関心に対して献身的に努力した人が期待した結果が得られなかった結果感じる徒労感または欲求不満
燃え尽き症候群 - ウィキペディア

とあります。

注:この記事では燃え尽き症候群をバーンアウトと呼ぶこともあります。

燃え尽き症候群になる一歩手前のチェック項目

  1. 最近非常に疲れている
  2. 最近あまり眠れない
  3. 睡眠不足をそもそも感じない
  4. 人からの指摘に激しいストレスを感じる
  5. 独善的でゆとりがない
  6. たまに言葉が出なくなる
  7. 食事の量や回数が急に減った
  8. 仕事の量と金が釣り合わない

5つ以上の項目が当てはまったら、燃え尽き症候群になる可能性があります。このチェックリストは専門家でもない私が独自に作ったものです。あてにしないでください、と言いたいところですが、経験者として妥当だと感じます。

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私の燃え尽き症候群:大学の研究が他人にとって価値のないものと悟ったとき

最初のバーンアウトは大学生のときに置きました。私はもともと数学者になるために理学部に進学しましたが、勉強をすればするほど最先端の数学が遠ざかっていきました。これはプログラムでよく知られた無限後退問題に近いものです。

つまり追究すればするほど、問題が果てしなく大きくなるのです。私は最初、代数幾何学の専門家になることを目指していました。そこで可換代数のコースをとり、代数学で最も重要な概念、スキームを理解しました。スキームというプログラミング言語はありますが、そのスキームではありません。

スキーム理論は、幾何学でもしばしば使われる圏論の知識を必要とします。数学を知らない人はここでもう読むのをやめるかもしれませんが、圏論から考えるスキームの究極的な本質は、文系の人や、物理やコンピューターサイエンスといった分野の人も簡単に理解できる話です。それは、物事は文脈によって意味づけされるという話です。機械学習と自然言語処理にくわしいデータサイエンティストは誰もがこのアイデアを知っているでしょう。

この単純な哲学を証明し、あるいは応用するために、莫大な数式と二年ほど格闘しました。数学を知らない人に「何を研究しているのか」と聞かれたときに、「物事は文脈によって…」というざっくりした話を言って、「でも、それって当然のことだよね」と言われてしまうことが何度かありました。これは燃え尽き症候群のトリガーになりました。

燃え尽き症候群

燃え尽き症候群になった人はこの話のエッセンスがわかると思います。猛烈な努力が他人によって軽々しく扱われたとき、自分の存在意義が崩壊してしまうのです。「たかが」「そんなことは」「でも結局」という否定が、バーンアウトの入口です。その後に待っているのは、巨大な虚無感と喪失感、そして倦怠感です。なにもする気力が起きず、私は数学と関係ない「メディア」という分野に足を入れることになりました。

私の燃え尽き症候群その2:開発アプリケーションの失敗

私は複数のメディアとアプリケーションを所有しています。日本人の2%が毎月、私のメディアを利用しています。しかし私は何度も開発に失敗し、そのたびに燃え尽き症候群になりました。

私は検索エンジンを作ることが至上の命題と考えていました。ドラッカーの「起業家精神」やシリコンバレーの失敗談を知らなかった私は、数ヶ月の時間を割いて独自の検索エンジンを開発しました。結果は失敗です。

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あらゆる産業がメディアを起点にしつつあります。メディアは小売、卸売、流通、ハードウェア、ソフトウェア、そしてそれらのマーケティングに化けます。メディアとソフトウェアは検索エンジンとソーシャルメディアというデュオ・ポリーの手のひらにあります。この不自由から抜けるには、検索エンジンそのものを所有するしかないと考えました。

長期間の開発が頓挫すると、その後に待っているものは燃え尽き症候群でした。私はしばらくなにも気力が起きず、食べることも遊ぶことも、そして運動することも興味がもてず、なにをするのも気合いが必要な状態になりました。

一人の時間が長くなり、口数が極端に少なくなり、短気になりました。

燃え尽き症候群の原因は過剰な努力と無報酬

燃え尽き症候群の原因は二つです。過剰な努力と過小の報酬です。やりがいとは希望そのもの。燃え尽き症候群とは絶望そのもの。バーンアウトの人はおそらく、感情と行動がニヒリズムに支配されています。

ニーチェ

虚無感は自己完結的なトートロジーの思想で、すべての目的をだいなしにします。ニヒリズムは破壊が得意で、すべてをナンセンスにします。なにもかもは無意味だから、人生に目的はない。否定的な達観はなにも生みません。バーンアウトのときに味わうニヒリズムは、人間の尊厳と意義を奪う破滅的な哲学です。

燃え尽き症候群になりかけているときにやってはいけないこと

  1. 説得または反抗的な行動
  2. 強迫的な行動
  3. スマートフォンの無用な閲覧

嫌いな人、自分の利益を奪う人、自分を都合よく利用する人に正義を説いたり、説得したり、反抗的な態度を見せたりすると、事態は余計に悪化します。説得や悪態といった行動はたいてい自分を痛みつけるだけで、将来にいい結果をほとんどもたらさない。

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説得はもちろん大切なプロセスかもしれない。しかしバーンアウトになりそうだと思ったら、決してしてはいけない。

同じことをくりかえしたり、自分にしか価値がない強迫的な行動も、イライラしている神経をさらにイライラさせるだけ。そしてスマートフォンを無駄に使ってはいけない。夜中にインターネットをしている人は、昼間の仕事を少し犠牲にします。仕事の能率が下がると、その分だけ「過剰な努力、過小の報酬」の道が広くなります。

燃え尽き症候群の改善と解決

改善、そして解決に向かうにあたって、私はさまざまな意識改革を行いました。野菜を食べたほうがいいと知人に聞いたので、まったく好きでもない野菜をとるようにしましたが、一週間坊主で終わりました。ほとんどの施策は無意味だったと思いますが、改善に役立ったものもありました。

  1. 睡眠
  2. 運動
  3. 日記
  4. 旅行

燃え尽き症候群になりそうな人はおそらく睡眠時間が不足しています。睡眠が短いと、それだけなにかを有意義に達成したと錯覚します。睡眠不足は生産性と効率を下げ、結局は自分を痛みつけるだけで終わります。

運動は最適な手段で、今も毎日ストレッチをして走っています。運動は無思考状態を作ります。無報酬という屈辱を一時的に忘れさせ、現実に集中させます。なにも考えないで、自分の体だけに集中するのです。そうすると、過剰な努力をしていた過去が離れ、自分の実存が現実だけに存在するようになります。

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そして日記。この記事のような文章を書くことは、燃え尽き症候群の解決に有用な手段です。思っていることを書くだけで、脳内でつっかえているしこりのようなものが少し消えます。ぜひ日記に「なぜ報酬がなかったか」の原因を書いてみましょう。言葉にすることは、自分を客観的に把握することです。これは個人的な見解ですが、バーンアウトの人は客観的認識が欠けています。

旅行は環境を変えるてっとり早い方法です。どんな無気力な人も、旅行に行けばシャキッとするでしょう。目新しい環境と風景は、再出発するための新しいエネルギーをくれるでしょう。未来は過去に縛られる必要がないと体感することもできます。チャーチルが言ったように、人間は結局「変化」が本質です。

燃え尽き症候群気味の人はどこか視野が狭く、今やっていることが自分のすべてだと感じるでしょうが、それは違います。人間はいつも変化し、今やっていることがどうでもよくなる日がいつか来るのです。

ちなみに旅行は金のかかる趣味ですが、金を使うことは燃え尽き症候群を治すために少し必要だと感じます。

燃え尽き症候群になって疲れきっているときに見るといい作品

燃え尽き症候群になったら、キングダムのような立身出世物語よりも、サウスパークのような作品を見るといいでしょう。主人公が負けても立ちあがる、悪者をやっつける、世の中を変えるというタイプの作品は、自分を惨めにする危険性があります。

いい大学に入りたい、いい会社に入りたい、出世したい、世界を変えたい、あるいは大金を稼ぎたいという思ってしてきた努力が、一時的であっても不当に少ない報酬に終わったことでバーンアウトになるなら、そもそもそういう前向きな情熱は(バーンアウトが終わるまで)捨てるべきです。

サウスパークを見てください。くだらないギャグを見ることが燃え尽き症候群後のニヒリズム脱却に必要です。あるいは社会の闇や不正を糾弾するドキュメンタリーがいいかもしれない。社会派ドキュメンタリーは、多かれ少なかれ、自分の新しい社会的視点を作ります。そして本能的に備わっている道徳感情、そして社会参加する意欲が再び芽生えます。

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