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柳宗元『江雪』(五言絶句)の原文、書き下し文、現代語訳

柳宗元(りゅうそうげん)は唐代の詩人である。唐は他にも李白や杜甫といった詩人が出ており、中国文学は栄華をきわめた。

柳宗元は『江雪(こうせつ)』が有名である。江雪は五言絶句。五言絶句は、一句五文字、四句から成り、二句目と四句目の末尾に押韻がある。対句は基本的にない。

柳宗元『江雪』原文

千山鳥飛絶
万逕人蹤滅
孤舟蓑笠翁
独釣寒江雪

書き下し文

千山鳥飛ぶこと絶え
万逕人蹤滅す
孤舟蓑笠の翁
独り釣る寒江の雪

千山(せんざん)鳥飛ぶこと絶(た)え
万逕(ばんけい)人蹤(じんしょう)滅(めっ)す
孤舟(こしゅう)蓑笠(さりゅう)の翁(おう)
独(ひと)り釣(つ)る寒江(かんこう)の雪

各言葉の意味

千山 … 多くの山
万逕 … あらゆる道
人蹤 … 人の足あと
孤舟 … 一つの船
蓑笠 … 「みの」と「かさ」
翁 … 老人
寒江 … 寒々しい川

現代語訳

多くの山から飛ぶ鳥が消えて
あらゆる道から人の足あとが消えた

一つの船にみのとかさをまとった老人が
一人で釣りをしている、雪の降る寒々しい川で…

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