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呼吸のクエン酸回路(アセチルCoA、クエン酸、オキサロ酢酸の回路)

クエン酸回路は呼吸の一過程である。呼吸は、グルコースを分解してエネルギーを取りだす反応であり、大きく解糖系、クエン酸回路、電子伝達系の三つからなる。

呼吸
= 解糖系 + クエン酸回路 + 電子伝達系

まとめ

クエン酸回路の反応をまとめると次のようになる。

2C3H4O3 + 6H2O + 8NAD+ + 2FAD

→ 6CO2 + 8H+ + 8NADH + 2FADH2 + 2ATP

つまり1個のピルビン酸から 1 個の ATP が作られる。

概要

クエン酸回路は、ピルビン酸からクエン酸などを作ってエネルギーを取りだす反応である。

解糖系の最終生成物であるピルビン酸からアセチルCoA(アセチルコエンザイムA)を経てできたクエン酸が、一連の回路の起点になる。

クエン酸はコハク酸、オキサロ酢酸などを経てクエン酸に戻る。クエン酸に戻るとき、一つ手前のオキサロ酢酸は解糖系由来のアセチルCoAと結合する。

回路の炭素数

クエン酸回路は、それぞれの過程の炭素数が重要になる。オキサロ酢酸の 4 とアセチルCoAの 2 が合わさってクエン酸になる。

高校生物ではアセチルCoAについて深く扱わないため、炭素数 2 と表示されるが、アセチルCoAの実際の炭素数は 23 である。

アセチルCoAはオキサロ酢酸と水と結合し、クエン酸と CoA(コエンザイムA)になる。コエンザイムAの炭素数は 21。

アセチルCoA 23
CoA 21

オキサロ酢酸+アセチルCoA + 水 → クエン酸 + CoA
↓(炭素数表示)
4+23+0→6+21

上の図にあるアセチルCoAの炭素数は、アセチルCoAとCoAの炭素数の差と考える。

エネルギー

クエン酸回路が一周すると1個のATPが放出される(1個のアセチルCoAについて1個のATP)。このATPは、コハク酸になる過程で発生する。つまり

αケトグルタル酸 → コハク酸

の過程でATPが発生する。

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