錯イオンの配位数と立体構造まとめ

錯イオンとは、金属イオンに分子またはイオンが配位結合したイオン。例えば[Zn(NH3)4]2+(テトラアンミン亜鉛(Ⅱ)イオン)は亜鉛イオンにアンモニア分子が4つ配位結合した錯イオンである。

配位子と配位数

金属イオンに結合する分子またはイオンを配位子という。配位子には、水分子、アンモニア分子、水酸化物イオン(ヒドロキシイオン)、シアン化物イオンがある。

[Zn(NH3)4]2+ ではアンモニア分子が配位子に相当する。

・水
・アンモニア
・水酸化物イオン
・シアン化物イオン

金属イオンは水中において単体で存在するわけでなく、水分子と結合している。

配位子の数、つまり金属イオンに結合する分子またはイオンの数を配位数という。[Zn(NH3)4]2+では4。配位数は金属によって決められており、亜鉛は4、アルミニウムは6である。

配位数は配位子に依存しない。「亜鉛イオンにはアンモニア分子が4つ結合するが、水酸化物イオンは6つ結合する」ということはない。

また、配位子の配位結合の仕方(結合の立体構造)も金属イオンに特有であり、例えば亜鉛イオンは正四面体をとる。


配位数と立体構造一覧

金属 配位数 立体構造
Ag+ 2 直線
Cu2+ 4 正方形
Zn2+ 4 正四面体
Pb2+ 4 -
Sn2+ 4 -
Ni2+ 6 正八面体
Co2+ 6 正八面体
Co3+ 6 正八面体
Fe2+ 6 正八面体
Fe3+ 6 正八面体

金属イオンと配位子の関係

例えば亜鉛イオンはアンモニアと水酸化物イオンの両方を配位子とするが、ニッケルはアンモニアのみを配位子とする。

配位子 金属イオン
NH3 Zn2+Ag+Cu2+Ni2+Co2+Co3+
OH- Zn2+Al3+Pb2+Sn2+
CN- Fe2+Fe3+
  1. 亜鉛のみアンモニアと水酸化物イオンの両方を配位子にできる。
  2. 両性元素(Zn、Al、PB、Sn)は水酸化物イオンを配位子にできる。
  3. シアン化物イオンを配位子にできるのは鉄のみ。

アンミン錯イオンとシアニド錯イオン

配位子 イオン 配位数 立体構造 錯イオン名
NH3 Zn2+ 4 正四面体 テトラアンミン亜鉛(Ⅱ)イオン
NH3 Ag+ 2 直線 ジアンミン銀(Ⅰ)イオン
NH3 Cu2+ 4 正方形 テトラアンミン銅(Ⅱ)イオン
NH3 Ni2+ 6 正八面体 ヘキサアンミンニッケル(Ⅱ)イオン
NH3 Co2+ 6 正八面体 ヘキサアンミンコバルト(Ⅱ)イオン
NH3 Co3+ 6 正八面体 ヘキサアンミンコバルト(Ⅲ)イオン
CN- Fe2+ 6 正八面体 ヘキサシアニド鉄(Ⅱ)酸イオン
CN- Fe2+ 6 正八面体 ヘキサシアニド鉄(Ⅲ)酸イオン

ヒドロキシド錯イオン

配位子 イオン 配位数 錯イオン名
OH- Zn2+ 4 テトラヒドロキシド亜鉛(Ⅱ)酸イオン
OH- Al3+ 6(4) テトラヒドロキシドアルミン酸イオン
OH- Pb2+ 4 テトラヒドロキシド鉛(Ⅱ)酸イオン
OH- Sn2+ 4 テトラヒドロキシドスズ(Ⅱ)酸イオン

注意

  1. 水酸化物イオンとシアン化物イオンの錯イオンは語尾に「酸イオン」とつける。
  2. Zn2+ はアンミン錯イオン、ヒドロキシド錯イオンの両方にある。
  3. Zn2+ と Cu2+ は両方とも配位数が 4 だが、立体構造が異なる。

参考

高校無機化学
イオン化傾向とイオン化列
鉄イオン

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