中2理科 質量保存の法則のわかりやすい説明
質量保存の法則は化学で最も大切な法則の一つであり、反応前後の重さが変わらないという法則である。例えば次のような例を考えてみよう。
1gの砂糖を100gの水に溶かして砂糖水を作るとき、砂糖水の重さはいくらだろうか。
答えは101g。
1 + 100 = 101
砂糖水の重さは、水の重さと砂糖の重さを足した値である。もし101gでなく106gだったら、どこからか5gの謎の物質が入ってきたことになる。
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質量保存の法則
砂糖を水に溶かすとき、砂糖水の重さは砂糖の重さと水の重さの和になっている。
反応する前の状態(砂糖と水がばらばらの状態)と反応した後の状態(砂糖水)の全体の重さは変わらない。これを質量保存の法則という。
炭酸水素ナトリウムと塩酸の反応と質量保存の法則
炭酸水素ナトリウムは加熱すると炭酸ナトリウムと二酸化炭素と水に熱分解した。
ここでは炭酸水素ナトリウムに塩酸を加える実験を考える。なお塩酸は私たちの胃の中にもある強酸性の液体で、金属も溶かす。
炭酸水素ナトリウム…NaHCO3
塩酸(塩化水素)…HCl(水素原子と塩素原子がくっついたもの)
炭酸水素ナトリウムに塩酸を加えると二酸化炭素が発生する。
実験
上の実験は質量保存の法則を確かめるための有名な実験で、まずビンの中に塩酸と炭酸水素ナトリウムを別々に入れる(左図)。例えば100gだったとする。
次にビンを傾けて塩酸を炭酸水素ナトリウムに垂らす。すると化学反応が起きて二酸化炭素が発生する(中央の図)。しかし重さはあいかわらず100gである。
塩酸と炭酸水素ナトリウムが別々でも、くっついて化学反応が起きて二酸化炭素が発生しても、全体の重さは変わらない。質量保存の法則が成り立っているからである。
しかしビンのふたを開けて二酸化炭素を逃がすと、全体の重さが減ってしまう(右図)。
つまり炭酸水素ナトリウムと塩素の化学反応によって発生した二酸化炭素の重さは
100 - 94 = 6
6gとなる。
参考
中2理科まとめ|中間・期末試験対策の要点解説
炭酸水素ナトリウムと酸化銀の熱分解と水の電気分解
硫化鉄や炭酸水素ナトリウムなどの化学反応式
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