江戸時代の化政文化まとめ(葛飾北斎、歌川広重、伊能忠敬など)

徳川家斉(いえなり、第11代将軍)は1787年から1837年までの50年間にわたって日本を治めた。この頃、富嶽三十六景の葛飾北斎や東海道五十三次の歌川広重といった多くの文化人が活躍した。18〜19世紀にかける当時の文化をまとめて化政文化という。

化政文化の「化政」は元号である「文化」と「文政」の一文字をとって合わせた言葉である。

文化 1804-1818
文政 1818-1831

絵画

作者 作品
葛飾北斎(かつしかほくさい)
富嶽三十六景
(ふがく-)
歌川広重
(うたがわひろしげ)
東海道五十三次

葛飾北斎「富嶽三十六景」

歌川広重「東海道五十三次」(の日本橋の風景)

これらの美術は浮世絵といわれ、ヨーロッパに伝わるとゴッホ(印象派)などに影響を与えたという。

文学

作者 作品
小林一茶
(-いっさ)
おらが春
十返舎一九
(じっぺんしゃいっく)
東海道中膝栗毛
(-ひざくりげ)
曲亭馬琴
(きょくていばきん)
南総里見八犬伝
(なんそうさとみはっけんでん)

十返舎一九の東海道中膝栗毛は滑稽本であり、膝栗毛とは「歩きで旅行する」という意味。曲亭馬琴の南総里見八犬伝は現代の時代劇に通じる勧善懲悪ものである。その他、小林一茶などの歌人も活躍した。

寄席と芸能

現在も浅草演芸ホールなどで演じられる寄席(よせ)は、化政期にさかんに開かれた。日本最初の寄席は、現在の上野駅近くの下谷神社で開かれたという。

また、七代目市川団十郎が歌舞伎役者として活躍した。

七代目市川団十郎

学問

芸術が栄える一方、江戸幕府は弱体化するとともに、荷田春満、賀茂真淵、本居宣長といった学者が古来の日本を研究し、国学を発展させていた。国学はやがて尊王論と結びついて倒幕運動につながったと考えられる。化政期、国学は平田篤胤によって大成し、水戸学のように倒幕運動に直接影響を与えた。

作者 作品
伊能忠敬 大日本沿海輿地全図
志筑忠雄 暦象新書
高野長英 戊戌夢物語
渡辺崋山 慎機論

伊能忠敬は日本を歩いてまわり、正確な測量によって日本の地図を「大日本沿海輿地全図」として完成させた。また、志筑忠雄は日本にかけ算や割り算などの算術記号やニュートンの法則などを紹介した。

伊能忠敬「大日本沿海輿地全図」

一方、高野長英と渡辺崋山は「戊戌夢物語」と「慎機論」で幕府の外交政策を強く批判し、蛮社の獄で処刑された。

総じて化政期は学問が著しく発展したと考えられる。化政期末、江戸幕府が衰退していく中、緒方洪庵や吉田松陰などの私塾が社会に影響を与えるようになった。緒方洪庵の「適塾」はやがて大阪大学医学部になったとされる。

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