世界史で出てくる歴史上最も偉大な人物10人

世界史を読んで学ぶことは多い。今回は歴史上最も偉大な人物を10人選び、主な業績をふまえながら私たちが参考にするべきことを考える。高校倫理に出てくる人類史上最も偉大な哲学者7人という記事が多くの人に読まれるようになったので、この記事はその続きとする。

プラトン

プラトンはヨーロッパの思想を作った最初の哲学者である。プラトンはイデアというものをあげながら、物心二元論や合理論につながるようなアイデアを生んだ。人の性格やあり方を分析し、国や階級の理想を説いた。

プラトンはアリストテレスを生んだことでも偉大かもしれない。

アリストテレス

アリストテレスは哲学と科学のあらゆる方面で業績を残した。ルネサンスで理想とされた万能人の究極はアリストテレスである。

私がアリストテレスを考えるときにいつも注目しているポイントは、知識よりも行動に意味があるという思想だ。これはアメリカの道具主義と共通する点が多い、とても現実的な姿勢である。

あなたは本を読んでいるときなにをしているだろうか? 本を買って読んでいない人は、金をムダに使っている点で下に出てくるロックフェラーの成功哲学と対立することになる。しかし本を買って適当に読んで、なにも実践しない人は、18世紀までのドイツでしか通用しない詩人で終わってしまう。

アリストテレスは、徳とは習慣であると言う。アリストテレスが多くの成功者から愛される理由は、成功の本質が行動と習慣にしかないことを理解しているからだ。

イエス・キリスト

「歴史で一番偉大な人は誰だと思うか」という問いが出てくると、私はいつもイエスと答えている。キリスト教信者でなくても、イエスが世界で最も歴史を動かしたことは認めなければいけない。

イエスの業績はキリスト教の普及にあるが、イエスから学ぶべきポイントは、同じことを何度もしつこく説明する大切さである。

私はキリスト教信者でないが、一週間に一度は新約聖書を読む。人生のつまらない悩みや怒りを解決する手軽な手段は、聖書を読むことだ。そうするとあの分厚い聖書の言いたいことは、あれだけのページ数を要しないということ、つまり同じことを何度も言っていることに気づく。

イエスはどうして偉大なのか? その一つは世界で最も説得力があったからだ。説得力はどこから生まれてくるのだろうか? それはおそらく、同じことをくりかえし、諦めないで説明することだ。

ルター

カトリックからプロテスタントへの転換はキリスト教の普及と同じく、世界史を変えたといえる。ルターは宗教改革の担い手とされる人物で、ルターの反権力的な運動は権力をローマ・カトリックから別のなにかに移すことに成功した。

さまざまな国で権力の移行はさまざまに行われたが、それは最終的にユダヤ人の資本家と地元貴族の支配を通じて、富の移行をうながした。加えてヨーロッパのプロテスタント系は真面目に働き、他の地域に比べて早く産業革命をとげた。

ルターから学ぶポイントは、腐敗と堕落に立ちむかう勇気である。腐敗は一時的な富を生むが、やがて富と権力を本当に欲している存在に奪われることを示唆している。

ニュートン

Appleの初期のロゴは、ニュートンの上にりんごがあるという絵だった。現在はシンプルなりんごになっている。

ニュートンは万有引力の法則と微分積分を発見した功績をもつ。ニュートンは、人間が自然を支配できるシステムを最初に考えた学者といえる。

ニュートンは哲学者でもあったが、他の哲学者と異なり数学を操ったことで特に成功した。それまでの経済的繁栄を直接ともなわない思考は、ニュートンの物理と数学という具体的な力にとって代わられたのである。ニュートンから学ぶことは、言葉遊びの哲学よりも物理のほうが社会の利益になるということだ。

ナポレオン

ナポレオンはヨーロッパを一時支配した軍人である。ナポレオンから学ぶことは次の三点。

  1. ロシアに深入りすると倍返しされる
  2. 攻撃は集中させる
  3. 変革には限界がある

第二次世界大戦のドイツもナポレオンもロシアを契機に滅びている。ともに加えたダメージの何倍もダメージを受けている。

ナポレオンは選択と集中をくりかえして戦争に勝った。この戦略はあらゆる場面で私たちに有用だ。私たちは複雑な世界に生きているので、物事を単純にとらえて、その一点に金と時間を集中させるほうが有利である。

ナポレオンは成り上がりも早かったが、没落も早かった。ヘーゲルはナポレオンの活躍に心を奪われて自身も偉大な思想家になったが、そうした熱狂は一時的で、変革は時間の経過とともに苦痛のともなう現実になることをナポレオンは身をもって体現した。

マルクス

マルクスは共産主義という思想をつくった哲学者。ソ連などの社会主義国はマルクスから影響を受けている。

大学一年生で西洋哲学史と東洋哲学史を学んだとき、どちらの教授も「アイデアは一人がつくる」法則を生徒に説明していた。マルクスはその代表的な人物といえる。

当時、共産主義・社会主義的な思想をもつ者はマルクス以外にもいた。しかし共産主義・社会主義といえばマルクスであり、他はほとんど知られていない。「○○といえば○○という人物になることが、君たちにとって重要なことだ。例えば社会主義のマルクスとか、ロックのビートルズのように」という説明しか、大学の授業では記憶に残っていない。

リンカーン

リンカーンはアメリカ大統領であり、戦争状態だった南北アメリカを一つにまとめあげた政治家である。リンカーンがいなかったら今のアメリカはなかったかもしれない。

リンカーンのポイントはその演説にある。下に出てくるチャーチルにも共通するが、演説の才能は歴史を変える能力である。リンカーンの場合、チャーチルのように意図して演説家になったかどうかはわからない。

リンカーンの「人民のための…」という演説からわかるように、言葉は短く、シンプルであるべきだ。長広舌は単語数に比例して価値を損ねる。

ロックフェラー

ロックフェラーは人類史上最も富をきずいた起業家である。ロックフェラーは石油で財をなし、経営するスタンダード・オイルは一時石油市場の90%を支配した。

ロックフェラーは高リスク高利益の採掘でなく、精油や販売に特化したことで成功した。石油を掘りあてる事業はリスクが失敗しやすく、失敗すれば破産する。

ロックフェラーから学ぶべきことはきわめて実践的で、有用で、単純である。

自分をコントロールする

ロックフェラーは「タイタン」などの文献からわかるように、無数の人格が混ざっているような不可解な人物である。以前紹介したピーター・ティールの「ゼロ・トゥ・ワン」にあるように、成功者に共通した性格はないが、ある種の矛盾した特性は持っている。ロックフェラーはその極端な例である。

ロックフェラーは信心深く、警戒心が強く、習慣を大事にし、自分をいつもコントロールした。アリストテレスの思想をそのままビジネスに実践した人物といえるかもしれない。

ちなみにロックフェラーは世界史の教科書で大きく扱われないが、海外の教科書ではチャプターを割かれていることがある。

チャーチル

第二次世界大戦はチャーチルがドイツに屈しないことが決定的だった。チャーチルはイギリスを戦勝国に導き、資本主義国が第二次世界大戦後に繁栄する準備を整えた。

チャーチルはイギリス人、特にイギリスの政治家から崇拝されている。チャーチルの偉大な点はルーズベルトを味方につけたことにある。チャーチルから学ぶべきポイントは、おそらく他のどの政治家よりも多い。なぜなら第二次世界大戦は他のどの戦争よりも決定的であり、第二次世界大戦はつまるところチャーチルとドイツの戦いだからだ。

  1. 協力をあおぐ
  2. 言葉とユーモアは支持を得る

ドイツの支配者が一匹狼タイプだったのと対照的に、チャーチルは周囲と協力することでイギリスの不利を回避した。戦争はチャーチルのようなタイプが勝利することを物語る。

言葉選びとユーモアの才覚から偉大な演説家になり、さらに偉大な政治家になった典型がチャーチルである。チャーチルの短い演説は戦争をためらっていたイギリス人を動かしたが、時代の混沌としているときには演説家が活躍する。

終わりに

最初に紹介した高校倫理に出てくる人類史上最も偉大な哲学者7人と同じ人物が出てきたが、しかたないことかもしれない。偉大な人物は、世界史をどのように見るかで変わってしまう。ここであげた人物は一つのパターンに合わせたリストにすぎない。

マルクスのところで出てきた教授の解説のように、偉大な人物というのは、その人物ではない特殊な名詞や形容詞の代名詞になっている。例えば

革命家=ナポレオン
大富豪=ロックフェラー
第二次世界大戦=チャーチル

といったように。偉大な人物は革命期や混沌とした時代から生まれているかというとそうではない。アリストテレスやニュートンの活躍した時期は、その前後する時代に比べて悲惨だったわけではない。さらに本人の性格もほとんどばらばらである。共通点をあげるとすれば、上にあげた人物は全員、自分が得意とする場面で熱心に行動したということである。

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