初心者の株式投資入門(配当金、ドルコスト平均法、ナンピンなど)

はじめて株式投資する方に向けて、株の基本的なことを横断的に解説します。株式投資は自己責任で行ってください。当記事の執筆者はいっさい責任を負いません。

株の値上がり

株の利益は値上がり益、配当金、株主優待の三種類があります。

  1. 値上がり益
  2. 配当金
  3. 株主優待

値上がり益

あるものを100円で買って120円で売ったら、20円に利益になります。安く買って高く売ったときの利益を値上がり益といいます。

投資家によって買ってから売るまでの期間は異なります。数時間、数分ごとに利益を確定する取引をデイトレードといい、ネット証券会社が手数料を下げていった頃から知られるようになりました。もちろん数日ごとの取引や、数ヶ月、数年ごとの取引もあります。

買ってから売るまでの期間はその投資の性質を決定します。取引のたびに手数料が発生するので、デイトレードは手数料との戦いになるわけです。細々と取引して利益を得るには

  • 値段の動かない大企業株を大量の買って売る
  • 値動きの激しいものを少しだけ買って売る

という方法があります。

配当金

みずほ銀行や花王といった多くの会社は配当金をたくさん払っています。配当金は、会社がその年の利益を投資家に分配するものです。株を持っているだけで、配当金は年に数回分配されます。

配当金を出さない会社もあるので注意しましょう。配当金を出すか出さないか、またはどのくらい出すかは、証券会社のホームページか、ヤフーファイナンスで調べられます。

株価が1000円で、1年に30円の配当金をもらえるとき、その株の配当利回りは30÷1000×100=3%になります。一般的に配当利回りは1〜3%です。4%を超えるような株はほとんどありませんが、ないわけではありません。

銀行のお金を預けても利子はほとんどつかないので、持っているだけでもらえる配当金はとても魅力的な利益の一つでしょう。

株主優待

吉野家は配当金だけでなく株主優待というチケットを株主に配布しています。吉野家の株主優待は300円分のチケットが半年に10枚くるので、単純に計算すると1年で6,000円の牛丼チケットをもらえることになります。

2013年頃から株主優待ブームになり、多くの会社が株主優待を発行するようになりました。その中でも、吉野家などの飲食業、スーパーなどの小売業はお得な株主優待をもうけているのでチェックしてみましょう。一部の証券会社は株主優待を利回り別に検索できます。

ドルコスト平均法

ドルコスト平均法とは、ある金融商品を購入する際、購入予定金額を購入予定期間で割った額を定期的かつ継続的に購入にあてる手法です。

例えばAという金融商品を1000万円で10年かけて購入する場合のドルコスト平均法は以下のようになります。

1年目 100万円÷100円/株=10,000株の購入
2年目 100万円÷200円/株=5,000株の購入
3年目 100万円÷300円/株=3333株の購入

10年目 100万円÷1000円/株=1,000株の購入

毎年の購入費用(1,000万円÷10年)は一定ですが、購入株数は常に変わります。

ドルコスト平均法の本質は時間分散です。ある期間にまとめて購入するより、購入時期を分けたほうが最終的な平均取得価格を抑えられるメリットがあります。

しかし長期的な上げ相場の場合、ドルコスト平均法で時間分散するより最初にまとめて購入するほうが平均購入単価を抑えられます。

株式投資のリスク

株のリスクは倒産リスク、下落リスク、流動性リスクの三種類があります。倒産リスクは、文字どおり会社が倒産するリスクです。会社が倒産したらその会社の株の価値はなくなります。最近では大手航空会社のスカイマークが破産し、上場廃止になりました。

下落リスク

下落リスクは株価が下がるリスクで、主な要因として次の五つがあります。

  1. 景気の悪化
  2. 円高
  3. 業種が全体的に下がっている
  4. 業績が悪化した
  5. ライバル会社の業績が上がった

上場企業の株価を平均した東証株価指数(TOPIX)などが下がっていると、それにつられるように株価は下がります。全体が下がると、一つ一つの会社の株価も下がってしまうのです。

円高は輸出企業の業績を悪化させる要因になりますが、アベノミクスが始まってから、円高は上場企業の株価全体に影響するようになっています。円高の影響を直接的に受けない会社であっても、為替相場(ドルと円、ユーロと円)には注意しましょう。

株価は木でなく森で動くときがあります。今日は銀行株が売られて、自動車が買われている、といった業種ごとの傾向は、TOPIXや日経平均株価と同様、会社の株価を大きく左右します。

逆に、銀行全体の株価が下がっているのに、ある銀行だけは上がっているという状況は特殊であり、その銀行は「何かある」ことになります。

会社の業績悪化は、言うまでもなく最大の下落要因です。そしてライバル会社の業績が上がっても株価が落ちることがあります。会社の株を買うときは、その会社のライバルになっている会社を探して、比較することが大切です。

流動性リスク

例えば、みずほ銀行を182.1円で買ったら、その瞬間に182.0円で売ることが(ほとんどの場合)可能です。取引が成立しているとき、買いと売りの価格差は0.1円や1円になります。しかしこれは大企業か、取引が活発に行われている一部の会社に限ります。

売り 価格 買い
100000 2570 -
1000000 2560 -
- 2550 1000000
- 2540 100000

上の板では、2560円で買うことができ、2550円で売ることができます。しかし小さい会社では下の板のようになっていることがあります。

売り 価格 買い
1000 2570 -
1000 2530 -
- 2360 1000
- 2240 1000
- 1910 1000

「自分の持っている100株を2400円で売りたい」と思っても、すぐには売れません。2400円で100株の売り注文をすると、板は

売り 価格 買い
1000 2570 -
1000 2530 -
100 2400 -
- 2360 1000
- 2240 1000
- 1910 1000

と変わります。ここで誰かが「早く売りたい!」と思って2360円の1000株の買い注文に対して売ると

売り 価格 買い
1000 2570 -
1000 2530 -
100 2400 -
- 2240 1000
- 1910 1000

となり、株価は2360円になります。さらに2240円で売られると

売り 価格 買い
1000 2570 -
1000 2530 -
100 2400 -
- 1910 1000

となり、株価は2240円になります。株価は2360円から2240円にぐっと下がりました。下落幅はマイナス5%です。大企業の株価がこのように下落することはめったにありません。

上のような株では、注文数が少ないことから、売られたときの下落幅が大きくなり、さらに自分の注文した売値で売ることが難しいのです。これを流動性リスクといいます。

平均購入単価

1株100円の株を100株買ったとき、証券会社の口座に表示される「平均購入単価」は101円くらいになります。

「100円で買ったのに、どうして101円になっているの?」と疑問に思うかもしれませんが、この101円と100円の差額1円は、手数料の分です。もう少しくわしく見てみましょう。

ある証券会社では、500,000円までの取引手数料が200円だったとします。上の例では、1株100円の株を100株買ったので100×100=100,000円の取引になり、手数料200円を含めると、100,200円を投資家は支払ったことになります。100,000円分の株を買っているのに、100,200円を払っているわけです。

100,200円を購入株数である100株で割ると100,200÷100=100.2円となります。株価は小数点で表示しないため、小数点以下を切りあげて101円とします。

買った株価と平均購入単価のずれをおさえる方法

100円で買ったものが101円で表示されるくらいは気にならないかもしれませんが、これが110円くらいになったら気になるでしょう。

買った株価と平均購入単価のずれは、もともとは取引手数料です。株価と単価のずれをおさえるためには取引手数料をおさえるしかありません。証券会社ごとに手数料はかなり変わってくるので、証券会社選びはよく考えましょう。

またいくつかの証券会社は「ミニ株(証券会社によって名称は異なる。ここでは単元未満株という意味で用いる)」という商品を売っています。日本の株のほとんどは100株以上を単位として売買されていますが、例えばトヨタの株を買うとなったら、1株60万円を100株、つまり600,000円が最低購入価格になるわけです。

「一回の取引で600,000円はかなりきつい…」

という方のために、100株よりも少ない1株、10株など小さい単位で売買できるようにしたものがミニ株(単元未満株)です。このミニ株は一般的な株と違い、手数料がやや高めに設定されています。買ったときの株価よりそこそこ高い価格が平均購入単価になってしまうかもしれません。

はじめて株を買うときに気をつけたいこと

株の売買はリスクがあります。株価は上がりときもあれば、下がるときもあります。「この株はきっと上がるはず!」と思っても、下がるときは下がります。10万円で買った株は、12万円になるかもしれないし、8万円になるかもしれないのです。

株を買うときは、株価が落ちる可能性があることをいつも念頭に置かなければいけません。しかし、はじめて株を買うときは、なぜかこう思ってしまいがちです。

「自分の買った株だけは、自分の予想どおりに動くはず。上がると思って買ったのだから、上がるにちがいない。自分だけはもうけられる」

初心者もベテランも、株を買うときはとてもわくわくしています。楽観的で、貪欲で、「自分だけは」と考えてしまう傾向にあります。この気持ちをどれだけおさえて株を取引するかで、投資の成績は大きく変わってきます。

ここでははじめて株を買うときに気をつけたいポイントを4つ紹介します。

  • 信用取引はしない
  • 余裕資金で取引する
  • 「自分は底値で買っている」は錯覚である
  • ナンピンしない

信用取引と余裕資金

「マーケットの魔術師」といったベストセラーの本などで、著名な投資家たちが口をそろえて言うことは、余裕資金で投資するということです。

貯蓄が100万円という人は、100万円を超える投資をしてはいけません。全資産の3割まで投資しよう、といった自分なりの投資枠をつくることが重要です。

信用取引は、借金をして投資することをいいます。証券会社の口座に100万円を預けている人は、信用取引によって200万円以上の取引が可能になり、利益が上がっているときはよりたくさんの利益を得られますが、損するときもまた大きく損します。

底値

「この一ヶ月で一番低い価格で買った!」とうきうき気分で買っても、自分の価格が底値になるとは限りません。その後、株価が安値を更新してどんどん下がってしまうかもしれないのです。

株価は、高い安いを見わける一定の指標がいくつかありますが、それらはあくまでも指標であり、自分の買った株価が本当に安いかどうかは、自分もふくめて誰もわかりません。

ナンピン

100万円で買った株が90万円になったら、次になにをするでしょうか?

「もう少し買えば、平均取得価格を下げられる」と思いませんか? 100万円で買って、さらに90万円で買えば、自分の購入価格は平均で95万円になります。

同じ株を、株価が安くなるたびにどんどん買いたしていく行為をナンピン(ナンピン買い)といいます。ナンピンは、平均単価を下げる有効な方法でありながら、多くの投資家を破滅に追いこむ悪名高い手段でもあります。

例えば、ある大手銀行株は、10年ほど前に1株1000円ほどでした。これがリーマンショックによって800円になり、さらに600円になります。最初1000円で買った人は、600円になったとき「600円はバーゲンセールだ」と思って、買い増ししたかもしれません。

1000円で買って、同じ量を600円で買えば、平均購入単価を800円にできます。つまりこの人は、この銀行株が800円以上にならない限り、利益を得られないのです。

しかし10年後の今、この銀行株は180円ほどになっています。あのとき安いと思って買った600円という価格は、底値でなく、高値だったのです。そしてナンピン買いした結果、かえって損失が膨れたことになります。

一度ナンピンすると、人は次から次へとナンピンする心理状態になります。株価が安値を更新するような状況でナンピンを続けると、資産はあっという間になくなります。はじめて株を取引するという方は、1株だけ、10株だけ、と購入株数をあらかじめ決めておくことが非常に大切です。

TOPIX Core 30

TOPIX Core 30とは、東京証券取引所市場第一部上場企業のうち、時価総額と流動性が特に高い30銘柄で構成された株価指数です。TOPIX Core 30に入っている会社は、日本で最も大きな30社と言うこともできます。

構成銘柄(2015年10月時点)

2914 日本たばこ産業
3382 セブン&アイホールディングス
4063 信越化学工業
4502 武田薬品工業
4503 アステラス製薬
5401 新日鐵住金
6301 小松製作所
6501 日立製作所
6752 パナソニック
6758 ソニー
6902 デンソー
6954 ファナック
7201 日産自動車
7203 トヨタ自動車
7267 本田技研工業
7751 キヤノン
8031 三井物産
8058 三菱商事
8306 三菱UFJフィナンシャルグループ
8316 三井住友フィナンシャルグループ
8411 みずほフィナンシャルグループ
8604 野村ホールディングス
8766 東京海上ホールディングス
8801 三井不動産
8802 三菱地所
9020 東日本旅客鉄道
9432 日本電信電話
9433 KDDI
9437 NTTドコモ
9984 ソフトバンク

「フィナンシャルグループ」と名がついている会社は銀行を中心としたグループです。例えばみずほフィナンシャルグループはみずほ銀行を中心とした複数の会社(正確にはその持株会社)をさします。

TOPIX Core 100

TOPIX Core 100も同様に、時価総額が大きい100社の株価を平均化したものです。TOPIX Core 100に入っている会社は2016年7月現在、次の通りです。

2016年7月末現在

証券コード 会社名
1605 国際石油開発帝石
1878 大東建託
1925 大和ハウス工業
1928 積水ハウス
2502 アサヒグループホールディングス
2503 キリンホールディングス
2802 味の素
2914 日本たばこ産業
3382 セブン&アイ・ホールディングス
3402 東レ
3407 旭化成
4063 信越化学工業
4188 三菱ケミカルホールディングス
4452 花王
4502 武田薬品工業
4503 アステラス製薬
4507 塩野義製薬
4523 エーザイ
4528 小野薬品工業
4568 第一三共
4578 大塚ホールディングス
4661 オリエンタルランド
4755 楽天
4901 富士フイルムホールディングス
4911 資生堂
5020 JXホールディングス
5108 ブリヂストン
5401 新日鐵住金
5411 ジェイ エフ イー ホールディングス
5713 住友金属鉱山
5802 住友電気工業
6273 SMC
6301 小松製作所
6326 クボタ
6367 ダイキン工業
6501 日立製作所
6502 東芝
6503 三菱電機
6594 日本電産
6702 富士通
6752 パナソニック
6758 ソニー
6861 キーエンス
6902 デンソー
6954 ファナック
6971 京セラ
6981 村田製作所
6988 日東電工
7011 三菱重工業
7201 日産自動車
7202 いすゞ自動車
7203 トヨタ自動車
7261 マツダ
7267 本田技研工業
7269 スズキ
7270 富士重工業
7741 HOYA
7751 キヤノン
7974 任天堂
8001 伊藤忠商事
8002 丸紅
8031 三井物産
8035 東京エレクトロン
8053 住友商事
8058 三菱商事
8113 ユニ・チャーム
8267 イオン
8306 三菱UFJフィナンシャル・グループ
8308 りそなホールディングス
8309 三井住友トラスト・ホールディングス
8316 三井住友フィナンシャルグループ
8332 横浜銀行
8411 みずほフィナンシャルグループ
8591 オリックス
8601 大和証券グループ本社
8604 野村ホールディングス
8630 損保ジャパン日本興亜ホールディングス
8725 MS&ADインシュアランスグループホールディングス
8750 第一生命保険
8766 東京海上ホールディングス
8795 T&Dホールディングス
8801 三井不動産
8802 三菱地所
8830 住友不動産
9020 東日本旅客鉄道
9021 西日本旅客鉄道
9022 東海旅客鉄道
9064 ヤマトホールディングス
9201 日本航空
9202 ANAホールディングス
9432 日本電信電話
9433 KDDI
9437 NTTドコモ
9502 中部電力
9503 関西電力
9531 東京瓦斯
9532 大阪瓦斯
9735 セコム
9983 ファーストリテイリング
9984 ソフトバンクグループ

拒否権と国際石油開発帝石

拒否権のある株式は黄金株といわれています。会社法が施行された後、黄金株の法的根拠は会社法108条1項8号「拒否権付種類株式」となりました。

拒否権付種類株式の所有者は株主総会決議について拒否権を行使できるので、会社の健全な経営を脅かす敵対的買収などを防ぐことが可能です。

東京証券取引所は「買収防衛策の導入に係る上場制度の整備等について(要綱試案)」(平成17年11月22日公表)で、上場企業の黄金株発行を原則認めない方針を出しますが、最終的に「買収防衛策の導入に係る上場制度の整備等について」(平成18年1月24日公表)で上場企業の黄金株発行を限定的に認めることになりました。

現在、国際石油開発帝石のみが黄金株を発行しています。

有価証券報告書

有価証券報告書とは、会社の年間の決算書です。投資する前に少し目を通すといいでしょう。決算書は他にも決算短信などがありますが、有価証券報告書は最もボリュームのある決算書です。

※四半期毎の決算書を四半期報告書と言います。

有価証券報告書の提出は金融商品取引法第24条に定められており、主に上場企業が対象になります。上場していない一般的な中小企業は対象外です。

有価証券報告書は上場企業各社のホームページか、または金融庁のEDINET(金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム)にあります。有価証券報告書をEDINETにのせてホームページにはのせないという会社がしばしばあるので注意しましょう。

有価証券報告書を何度も見る機会がある方はブラウザのお気に入りにEDINETを登録すると便利です。

・有価証券報告書=決算書
・上場企業は有価証券報告書を必ず作る(金融商品取引法)
・中小企業は作らない
・会社ホームページまたはEDINETにある

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