古代日本のアニミズムと神道

古代日本にも宗教的なものがありました。それがアニミズム(精霊信仰)と神道です。アニミズムと神道は深くつながっており、区別することはできません。

アニミズムは自然の様々に対して畏怖し、信仰すること。

例えば雷や嵐を恐れたり、山や木や石になにかが宿っていると考えたり。神社に御神木と呼ばれる注連縄が結ばれた木を見かけたら、それはアニミズムの名残りです。神社は日本の神道を具現化した建物であるため、アニミズムと神道は結ばれていると考えられます。

日本のアニミズムにおいて神は八百万神(やおよろずのかみ)です。たくさん神がいるという点でキリスト教などと大きく異なります。八百万神は自然のあらゆるものに宿ります。古くからその地にある木や石などはしばしば神が宿っているとして信仰の対象になっていました。

稲荷神社

アニミズムは自然のあらゆるものを祀りますが、その中に狐があります。稲荷神社は稲荷神という神を祀りますが、古来から稲荷神と狐はしばしば同一視されてきました。そのため稲荷神社には狐の像が今も立っています。

稲荷神社の総本社がテレビでもよく映る伏見稲荷大社です。赤い鳥居がたくさん並んでおり、京都の観光スポットとなっています。

赤い鳥居を見かけたらその神社は稲荷神社です。他の神社は鳥居が灰色ですが、稲荷神社だけは鳥居が赤色なのです。

ちなみに京都の伏見稲荷大社では個人も鳥居を奉納できます。サイズが大きい10号サイズでは100万円以上かかるそう。

いろいろな神社

信仰対象によって神社の名前が異なります。代表的な日本の神社を見てみます。

神社名 信仰対象
伊勢神社 天照大神、豊受大神
日吉神社 天照大神
八幡神社 八幡大神(はちまんおおかみ)など
浅間神社 富士山
稲荷神社 稲荷神(狐)
天満神社 菅原道真
北野神社 菅原道真
天神神社 菅原道真

センター試験の過去問

センター試験の過去問(問題のみ)を引用します。解説の著作権は当ページにあります。ウェブ掲載の都合上、問題の一部を変えています。あらかじめご了承ください。

2016年度(第3問の問2)

日本の神についての和辻哲郎の考えとして最も適切なものを選べ。

① 天皇は神聖にして侵すことのできない神であるから、忠孝一本という道徳に基いて天皇に奉仕するのが日本人の責務である。

② 人は死後に遠い彼方の世界に行くのではなく、身近な山などに留まって、子孫を見守る神となり、定期的に子孫のもとを訪れ、豊穣をもたらす。

③ 神とは、共同体の外部から来訪し人々の饗応を受けて去る存在であり、その様を模倣することで各種の芸能が成立した。

④ 日本神話には唯一絶対の究極神は存在せず、最も尊貴な神として祀られるアマテラスであっても、みずから他の神を祀っている。

解答 ④

センター試験の倫理において和辻哲郎とその思想はよく出る人物。この問題は和辻哲郎、柳田国男、折口信夫の三人の違いをきちんと理解しているかを試しています。

和辻哲郎 … 風土、アマテラス
柳田国男 … 山にとどまる祖先神
折口信夫 … まれびととしての神

①が誤り。①は水戸学派の考え方。

メモ

和辻哲郎、柳田国男、折口信夫の三人はごちゃごちゃになりやすいですが、「日本において神とはなにか?」を丹念に調べた人物は柳田国男と折口信夫です。

柳田国男は神を祖先、折口信夫は神をまれびと(村や共同体に外からやってくる訪問者または旅人)としました。「山にとどまって…」という表現が出てきたら自動的に柳田国男、「まれびと」が出てきたら折口信夫と考える癖をつけよう。

和辻哲郎は神というより風土に関する著述が有名で

砂漠型風土 … 戦闘的思考
牧場型風土 … 論理的思考
モンスーン型風土 … 汎神論的思考

と風土と民族的思想をつなげましたが、他にもアマテラスについて「アマテラスは祀られる神であり、祀る神である」という論も唱えています。

汎神論とは、神と自然を一体に考える思想のこと。砂漠型風土はアフリカや西アジア、牧場型風土はヨーロッパ、モンスーン型風土はアジアに多い気候です。

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