過去の助動詞「き」「けり」の意味と活用と例文
助動詞の「き」「けり」は過去を表す。ただし「き」は直接経験、「けり」は伝聞という違いがある。すなわち「き」は「~した」、「けり」は「~したそうだ」と訳す。
また「けり」は過去の他に詠嘆(~かな、~だなあ)という意味もある。
- 「き」は経験過去
- 「けり」は伝聞過去
- 「けり」は詠嘆の意味もある
「き」「けり」の活用
活用 | き | けり |
---|---|---|
未然形 | せ | けら |
連用形 | ◯ | ◯ |
終止形 | き | けり |
連体形 | し | ける |
已然形 | しか | けれ |
命令形 | ◯ | ◯ |
◯は存在しないの意味
「き」「けり」の例文
初めよりおしなべての上宮仕へし給ふべき際にはあらざりき。(源氏物語・桐壷)
最後の「き」は「き」の終止形である。
いづれの御時にか、女御・更衣あまた侍ひ給ひけるなかに、いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めき給ふ、ありけり。(源氏物語・桐壷)
最初の「ける」は「けり」の連体形、最後の「けり」は「けり」の終止形。
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