古典文法の品詞の分類
古典の言葉は自立語と付属語に分けられる。自立語はそれ自体で意味がわかる言葉、付属語はそれ自体では意味がわからない言葉である。
付属語には助動詞と助詞がある。一方、自立語は動詞、形容詞、形容動詞、名詞、副詞、連体詞、接続詞、感動詞がある。
自立語
現代語でも「花」「食べる」「美しい」「素早く」「しかし」「おお!」という言葉はそれだけで意味がわかる。
品詞 | 性質 |
---|---|
動詞 | 行動・存在などを表す 活用する 述語になる ラ変を除いて「u」で終わる |
形容詞 | 性質・状態などを表す 活用する 述語になる 「し」で終わる |
形容動詞 | 性質・状態などを表す 活用する 述語になる 「なり」「たり」で終わる |
名詞 | ものの名前など 活用しない 主語になる |
副詞 | 状態を表し、用言(動詞、形容詞、形容動詞)を修飾する 活用しない 主語にならない |
連体詞 | 名詞を修飾する 活用しない 主語にならない |
接続詞 | 文と文をつなぐ 活用しない 主語にならない |
感動詞 | 感動・応答などを表す独立語 活用しない 主語にならない |
付属語
「が」「ず」といった言葉は「花」「食べる」といった自立語にくっついて初めて機能する。このような単語を付属語という。
品詞 | 性質 |
---|---|
助動詞 | 用言(動詞、形容詞、形容動詞)と名詞にくっついて意味を加える 活用する |
助詞 | 「が」「の」などの活用しない言葉 |
用言と活用
動詞、形容詞、形容動詞を用言という。用言は活用し、述語になることができる。
現代語でも「走る」という動詞は「走る」「走らない」「走れ」などと変形する。この変形を活用という。「走」という部分は変わっていないが、その後の部分は「る」「らない」「れ」と変わっている。この変わらない部分を語幹、変わる部分を活用語尾という。
六つの活用形
活用は未然形、連用形、終止形、連体形、已然形、命令形の六つがある。動詞、形容詞、形容動詞、助動詞によって活用の仕方が異なるため、すべて覚えなければいけない。例えば動詞は四段活用、上二段活用、下二段活用などがある。
例えば「降る」という動詞は次のように活用する。
基本形 | 動詞 | 活用例 |
---|---|---|
語幹 | 降 | - |
未然形 | ら | 降らず |
連用形 | り | 降りて |
終止形 | る | 降る |
連体形 | る | 降るとき |
已然形 | れ | 降れば |
命令形 | れ | 降れ |
「ら」「り」「る」「る」「れ」「れ」を母音で表すと
a i u u e e
となるが、これを四段活用という。「降る」の他に「立つ」などが四段活用である。
基本形 | 動詞 | 活用例 |
---|---|---|
語幹 | 立 | - |
未然形 | た | 立たず |
連用形 | ち | 立ちて |
終止形 | つ | 立つ |
連体形 | つ | 立つ日 |
已然形 | て | 立てば |
命令形 | て | 立て! |
活用は「た」「ち」「つ」「つ」「て」「て」となり、これを母音で表すと
a i u u e e
となる。「降る」も「立つ」も「a i u u e e」と活用することがわかる。
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