現在推量の助動詞「らむ」と過去推量の助動詞「けむ」の用法と活用
助動詞「らむ」「けむ」はセットで習うが、意味も接続も異なる。どちらも推量、原因推量、伝聞・婉曲を意味するが、「らむ」は現在のこと、「けむ」は過去のことを表す。
「らむ」の意味
- 現在推量 … ~だろう
- 現在の原因推量 … どうして~だろう(注)
- 現在の伝聞婉曲 … ~いるとかいう
「けむ」の意味
- 過去推量 … ~だっただろう
- 過去の原因推量 … どうして~だったのだろう(注)
- 過去の伝聞婉曲 … ~いたとかいう
「らむ」「けむ」を理解するポイントは原因推量という聞きなれない言葉である。これは主に「なぜ?」という疑問文で使われる。訳すときは「どうして~だろう」と訳す。現在推量と現在の原因推量は似ているが、疑問文でなければ原因推量、疑問文であれば現在の原因推量と考えるとわかりやすい。
また「む」と同様、「らむ」「けむ」は文末と文中で意味が決まる。
- 文末 … 推量、原因推量
- 文中 … 伝聞婉曲
「らむ」「けむ」は意味と用法がかなり細かい。後述するように接続も活用もかなり変則的であり、「らむ」「けむ」は古文で最も難しい助動詞と言えるかもしれない。
「らむ」「けむ」の接続と活用
活用 | らむ | けむ |
---|---|---|
接続 | 終止形 | 連用形 |
未然形 | ◯ | ◯ |
連用形 | ◯ | ◯ |
終止形 | らむ | けむ |
連体形 | らむ | けむ |
已然形 | らめ | けめ |
命令形 | ◯ | ◯ |
「らむ」は終止形接続だが、「けむ」は連用形接続である。また「らむ」はラ変動詞のみ連体形接続になる。
- 「らむ」は基本的に終止形に接続
- ただしラ変は連体形に接続
- 「けむ」は連用形に接続
活用自体は「む」とほぼ同じである。
古文(古典)の文法
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