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ナイロン66とナイロン6の重合反応と成分(アジピン酸、ヘキサメチレンジアミン、εカプロラクタム)

ナイロンは合成繊維の一つで、ナイロン66とナイロン6がある。どちらも分子と分子が脱水反応をくりかえして鎖状に結合したもの。

ナイロン66:アジピン酸+ヘキサメチレンジアミン
ナイロン6:εカプロラクタム

ナイロン66

ナイロン66はストッキングなどの繊維で、触感や見た目がやや絹に似ている。成分はアジピン酸とヘキサメチレンジアミン。

アジピン酸のカルボキシ基とヘキサメチレンジアミンのアミノ基が脱水反応を起こして結合する。

上図の下の長い構造式がナイロン66。ナイロン66などの合成繊維はくりかえし構造をもつため、くりかえしの単位だけを書いて、大カッコでくくり、右下にnという添字をつける。

これはn個くりかえしているという意味で、この添字の数がアジピン酸とヘキサメチレンジアミンと脱水によって生じる水の係数になっている。

注 水だけ係数がちょうど2nになる

分子と分子が脱水をくりかえして長い鎖になっていく反応を縮合重合という。

ナイロン6

ナイロン6はタオルなどの繊維で、成分はεカプロラクタム。

εカプロラクタムは環状で、一定の条件にすると環状から鎖状に変わる。鎖状になると端の炭素の結合が1つずつ余る。

これより鎖状εカプロラクタム同士が結合できることになり、ナイロン66と同じように長い鎖をつくる。

ナイロン66のように脱水しない。環状から鎖状になる過程で生じる余分な結合が、ナイロン6の重合のもとになっている。

εカプロラクタムからナイロン6ができるような重合を開環重合という。

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