嘆きつつひとり寝る夜の明くる間はいかに久しきものとかは知る|右大将道綱母|小倉百人一首
嘆きつつ
ひとり寝る夜の
明くる間は
いかに久しき
ものとかは知る
右大将道綱母『拾遺和歌集』恋四(九一二)『小倉百人一首』五三
現代語訳
嘆きつづけて
ひとりで寝る夜の
明けるまでの時間は
どんなに長いことか
ご存知でしょうか?(ご存じないでしょう)
文法
嘆きつつ
つつ…動作の反復
ものとかは知る
か(は)…係助詞
ぞ・なむ・や・か・こそ(係助詞)の係り結びの法則にあるように、「か」は疑問または反語を意味します。この詩の場合は反語。
知る…連体形
作者
藤原道綱(ふじわらのみちつな)の母。
作品
- 『蜻蛉日記』
- 嘆きつつひとり寝る夜の明くる間はいかに久しきものとかは知る
関係者
父 藤原倫寧(ふじわらのともやす)
夫 藤原兼家(ふじわらのかねいえ)
子 藤原道綱(ふじわらのみちつな)
右大将道綱母という呼び名もあります。
藤原兼家は古文にも日本史にも出てくる重要人物で、藤原道長の父。藤原兼家は、蜻蛉日記の作者と藤原時姫の二人を妻にして、時姫から道長が生まれた。
小倉百人一首
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