瀬をはやみ岩にせかるる滝川のわれても末にあはむとぞ思ふ|崇徳天皇|小倉百人一首

瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に あはむとぞ思ふ

崇徳天皇『詞花和歌集』恋上(二二九)『小倉百人一首』七七

注 詞花和歌集は「しかわかしゅう」と読む。

現代語訳

川の流れがとても速いので 岩にせき止められる 急流が 二つに分かれてもまた 一つになるように、あの恋しい人といつか逢いたいと思う

文法

瀬をはやみ

瀬をはやみは「名詞(A)+を+形容詞語幹(B)+み」という構文で「AがとてもBなので」という意味。ここでは「瀬がとても速いので」と訳す。

岩にせかるる滝川の

川の流れが岩にぶつかってせき止められる様子をイメージしています。

せくは「せき止める」を意味する動詞で、続けて受身の助動詞「る」の連体形がきています。

 せかるる =せか+るる =カ行四段活用「せく」未然形+助動詞(受身)「る」連体形

われても末にあはむとぞ思ふ

上の句で、川の流れが岩にぶつかってせき止められました。せき止められるということは、その川が二つに分かれるということです。しかし最後は一つになります。

 あはむとぞ思ふ =あは…ハ行四段活用「あふ」未然形 +む…助動詞(意志)「む」終止形 +と…格助詞 +ぞ…係助詞 +思ふ…ハ行四段活用「思ふ」連体形

「ぞ」は係助詞で係り結びの法則によって「思ふ」を連体形にします。

作者

崇徳天皇(一一一九~一一六四)