有機化合物とタンパク質の検出反応(ヨードホルム反応やキサントプロテイン反応など)

ヨウ素デンプン反応はデンプンにヨウ素ヨウ化カリウム水溶液を入れると濃青色になるという反応で、対象物質がデンプンかどうか確かめるときに使う。

ヨウ素デンプン反応のように有機化合物とタンパク質を検出する物質(反応)の一覧表。

検出 反応化合物
臭素水の脱色 二重結合、三重結合
単体のナトリウム アルコール
二クロム酸カリウム 第一級アルコール
第二級アルコール
銀鏡反応 アルデヒド基
フェーリング液の還元 アルデヒド基
ヨードホルム反応 CH3CO
CH3CH(OH)
塩化鉄(Ⅲ)水溶液 フェノール類
さらし粉反応 アニリン
アニリンブラック アニリン
ヨウ素デンプン反応 デンプン
ニンヒドリン反応 アミノ酸
タンパク質
ビウレット反応 タンパク質
キサントプロテイン反応 タンパク質のベンゼン環
酢酸鉛(Ⅱ)水溶液 タンパク質の硫黄

臭素水の脱色

臭素水は有機化合物の二重結合と三重結合に反応し、それらを単結合にする。これは次の反応式が示すように、臭素分子がアルケン(またはアルキン)と結合するため。

C2H4 + Br2 → C2H4Br2

単体のナトリウム

アルコールに単体のナトリウムを入れると水素が発生する。

2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2

単体のナトリウムの反応の中心はOH基であるため、エーテルとは反応しない。

二クロム酸カリウム

二クロム酸カリウムなどの酸化剤は第一級アルコールと第二級アルコールを酸化する。第三級アルコールは酸化しない。

有機化合物の酸化の流れ
第一級アルコール → アルデヒド → 酸
第二級アルコール → ケトン


エチレン → エタノール → アセトアルデヒド → 酢酸
メタノール → ホルムアルデヒド → ギ酸
2-プロパノール → アセトン

アルデヒドの検出

反応 検出物質
銀鏡反応 アンモニア性硝酸銀水溶液
フェーリング液 青→無 フェーリング液
ヨードホルム反応 水酸化ナトリウム+ヨウ素ヨウ化カリウム水溶液

銀鏡反応

アンモニア性硝酸銀水溶液にアルデヒドを加えると、試験管の壁に銀が析出する。これを銀鏡反応という。

アンモニア性硝酸銀水溶液にはジアンミン銀イオンというイオンが含まれている。これがアルデヒドと塩基と反応し、酸と銀とアンモニアを生じる。

ジアンミン銀イオン … [Ag(NH3)2]+

フェーリング液の還元

フェーリング液Aとフェーリング液Bを等量ずつ混ぜたものをフェーリング液という。

・フェーリング液A … 硫酸銅水溶液
・フェーリング液B … 酒石酸ナトリウムカリウムと水酸化ナトリウムの混合水溶液

酒石酸は「しゅせきさん」と読む。また酒石酸ナトリウムカリウムはロッシェル塩ともいう。

フェーリング液は青色の溶液だが、ここにアルデヒドを加えて加熱すると、青色が消えて酸化銅(Ⅰ)が沈殿する。これをフェーリング液の還元反応という。

・青色が消える
・酸化銅(Ⅰ)が沈殿する

ヨードホルム反応

エタノールやアセトンにヨウ素ヨウ化カリウム水溶液を混ぜて、水酸化ナトリウム水溶液を少しずつ加えると、ヨードホルムという黄色の沈殿が生じる。これをヨードホルム反応という。

ヨードホルムはCHI3で、独特な匂いがする。

ヨードホルム反応はエタノールやアセトンに限らない。次の構造を持つ物質にことごとく反応する。

・CH3CO-R
・CH3CH(OH)-R

ヨードホルム反応を起こす代表的な物質:

・エタノール
・アセトアルデヒド
・アセトン
・2-プロパノール

ヨードホルム反応を起こしそうで起こさない物質としてホルムアルデヒドがある。アセトアルデヒドは反応するが、ホルムアルデヒドは反応しない。

芳香族有機化合物の検出

反応 検出物質 被検出物質
塩化鉄(Ⅲ)水溶液 青紫~赤紫 塩化鉄(Ⅲ) フェノール類
さらし粉水溶液 赤紫 さらし粉 アニリン
アニリンブラック 二クロム酸カリウム アニリン

塩化鉄(Ⅲ)水溶液

塩化鉄(Ⅲ)水溶液をフェノール類に加えると、青紫色(赤紫色)に呈色する。

フェノール、クレゾール、サリチル酸などが対象。

さらし粉水溶液

さらし粉水溶液をアニリンに加えると、赤紫色に呈色する。芳香族有機化合物の検出で最も有名で、最も出題頻度の高い検出の一つ。

アニリンブラック

アニリンは酸化されやすく、二クロム酸カリウムを加えると酸化されて黒色を呈色する。これをアニリンブラックという。

ヨウ素デンプン反応

デンプンはαグルコース(ブドウ糖)がらせん状につながった物質であり、ヨウ素デンプン反応はヨウ素分子がこのらせん構造にとりこまれることで起きる。ヨウ素デンプン反応の色はデンプンを加熱すると消える。

・ヨウ素分子がαグルコースのらせん構造にとりこまれると青色を呈する。
・デンプンを加熱すると色は消える。

デンプンは正確には直鎖構造と枝分かれ構造の二種類がある。直鎖構造はαグルコースが一本の直線的につながっている構造で、枝分かれ構造はαグルコースの直線と直線をつなぐ構造。このうち直鎖構造がらせん構造を持っている。

デンプンはアミロースとアミロペクチンとグリコーゲンの三種類がある。

・アミロース … αグルコースが直鎖状につながった物質
・アミロペクチン … アミロースとアミロースがつながった物質(枝分かれ構造を持つ)
・グリコーゲン … 私たちの肝臓で作られる

いわゆるデンプンはこの三つの総称で、ヨウ素デンプン反応によって「青色」になるのはアミロース。アミロペクチンとグリコーゲンはアミロースに比べて色が薄くなる。ヨウ素デンプン反応の色の濃さは、各物質のらせん構造の長さに依存する。

有機化合物 らせんの長さ
アミロース 長い
アミロペクチン やや短い
グリコーゲン 短い オレンジ

タンパク質の検出反応の色まとめ

反応 検出物質 被検出物質
ニンヒドリン 青紫(赤紫) ニンヒドリン アミノ酸
ビウレット 赤紫 硫酸銅水溶液 2個のペプチド結合
キサントプロテイン オレンジ 濃硝酸+アンモニア水 ベンゼン環

ビウレット反応の被検出物質にある「2個のペプチド結合」とは「3個以上のアミノ酸がつながったペプチドのこと。

ニンヒドリン反応

アミノ酸の入った水溶液にニンヒドリン溶液を加えて加熱すると、青紫色(赤紫色)に呈色する。

ビウレット反応

ビウレット反応は、検出したい物質の入った水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を混ぜて、そこに硫酸銅水溶液を入れると赤紫色に呈色する反応。

銅イオンがアミノ酸の一部と立体的な錯イオンを形成することで起きる。

キサントプロテイン反応

キサントプロテイン反応は、検出したい物質の入った水溶液に濃硝酸を混ぜて、加熱し、アンモニア水を入れるとオレンジ色に呈色する反応。

濃硝酸 → 加熱 → アンモニア水

の順。キサントプロテイン反応はタンパク質のベンゼン環と反応する。

ベンゼン環を含むアミノ酸:

・フェニルアラニン … -CH2-ベンゼン
・チロシン     … -CH2-ベンゼン-OH
・トリプトファン

酢酸鉛(Ⅱ)水溶液

硫黄を含むタンパク質(が溶けた水溶液)に酢酸鉛(Ⅱ)水溶液を加えると、黒色沈殿(PbS)が生じる。

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