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酸化数のルールと例外(過酸化水素などの問題)

酸化数は酸化の度合いを表す。酸素分子は電気的に中性であり、酸素原子の酸化数は0である。イオンの酸化数は基本的にその価数にする。

H2のH → 0
02のO → 0

Li+ → +1
Mg2+ → +3
Al3+ → +3

Cl- → -1
S2- → -2

ルール

  1. 単体の原子の酸化数は0
  2. イオンの酸化数はその価数にする
  3. 水素原子の酸化数は+1
  4. 金属の水素化物における水素原子は-1
  5. 酸素原子の酸化数は-2
  6. 過酸化物における酸素原子は-1
  7. イオンでない化合物の酸化数の総和は0
  8. イオン化合物の酸化数の総和はその価数にする

例えばHNO3の酸化数は次のように計算する。

H → +1
O → -2
N → 0-(+1)-(-2)×3 = +5

総和が0であるというルールから0から水素と酸素の酸化数を引いて窒素の酸化数を求める。酸化数を求める問題では

  1. 水素原子の酸化数は1とする(金属水素化物を除く)
  2. 酸素原子の酸化数は-2とする(過酸化物を除く)
  3. 総和から水素と酸素の酸化数を引いて残りの原子の酸化数を求める

という順番で解く。

暗記するべき問題

上のルールを見てわかるように、「金属の水素化物」と「過酸化物」は特別である。

金属の水素化物としてLiH、CaH2などがある。7番目のルールからLiHの酸化数の総和は0であり、Hの酸化数は-1である。

H → -1
Li → 0-(-1) = +1

CaH2では

H → -1
Li → 0-(-1)×2 = +2

となる。

過酸化物では過酸化水素の酸化数がよく出題される。過酸化物の酸素原子は-1であり

O → -1
H → {0-(-1)×2}÷2 = +1

となる。

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