78 : 22 の法則 (Rule of 78) とユダヤの商法から格差社会を考える

ユダヤ人の教えの一つに「男はすべての金の78%を稼ぎ、女はすべての金の78%を使う」というものがある。あるいは「利益の78%は商品の22%で生む」という教えもある。

78:22という比はいろいろな現象を表現するとして、ユダヤ人などの一部のビジネスマンは「神秘的だが、極めて戦略的である」と考える。

男女と商売

もし経済的な現象が78:22で成り立っているなら、と考えると、最初に出てくる発想が「誰に売ることが一番儲かるか?」という問いであり、その答えである。

前述の男女と金の関係から、78:22の法則は、男性向けの商売は不利であり、女性向けの商売は有利であると考えることもできる。

家計で最も大きな出費になる家、車、教育、保険などは「妻の発言」が大きなカギになるため、この一見すると男性向けの商売ともいえるローン商売ですらも、女性をターゲットと据えなければいけない。

また男性は女性に比べてブランドの価値よりも実用性の価値を重視するため、女性向けの商品のほうが付加価値を出しやすいという考え方もある。

パレートの法則

パレートの法則とは「利益の8割は商品の2割で生む」という法則であり、まさに78:22の法則だが、現代的なマーケティングの担当者はこれをしばしば当たり前のものと考えている。

100個のパンを売ったとき、78個のパンはほとんど利益を出さないか、売れない。残りの22個で利益の大半を生む。

パレートの法則は実際、さまざまな場面で成り立っているように見えるが、パレートの法則を使って利益にならない78個を処分したら、どうなるだろうか?

残りの利益を生む22個の商品の中で、さらにパレートの法則が出てくるのである。そしてこの決定が利益拡大につながるかどうかは、78:22の法則もユダヤの商法も言及しない。

ユニークな例(マクドナルド)

78:22の法則を実際に使った例として藤田田(日本マクドナルド)のサンキューセットがある。彼はこのセット商品を文字どおり390円で売ったが、これに500円を払うと110円のおつりがくる。このとき

390円:110円 = 78:22

であり、78:22というユダヤの法則を一躍有名にすることになった。

比率の変化

現代社会では女性向けの高額商品の販売が落ちこみ、アマゾンなどの巨大な小売業者が商品の品数を際限なく増やしていることから考えても、78:22の法則という数の神秘は信憑性がなくなっているかもしれない。

前者は「貧困女子」と表現されるように、格差社会によって女性の家計が苦しくなり、高額商品を購入する余力が相対的に減少したことなどを背景とするが、足並みをそろえるように価値が多様化して高級ブランドの競争力が低下したことも考えられる。

後者については、コンピューター技術の向上とデータセンターの巨大化にともなって規模の経済が極端に進んだ結果、「超」薄利多売によるビジネスが成り立ってしまっていることがある。

これらの複合的な社会変化にともなって、78:22は99:1になってしまったかもしれない。高級ブランドは淘汰が加速してブランドを束ねる巨大企業が現れた。LVMHである。これはルイ・ヴィトンなどの最も権威のあるブランドたちから構成されるコングロマリットであり、それ以下の準高級ブランドは厳しい競争によって淘汰が進んでいる。

ユダヤの法則の一つ、この78:22という法則の比率は格差社会の普遍性も表しているが、今、その格差がかつてないほどに拡大している。つまりこのパレートの比率は、年々100:0の方向に近づいているのだ。

(以上、ユダヤの商法に関するエッセイ)

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