数Ⅰ集合と論理 命題の真偽と反例、条件の否定のわかりやすい説明と練習問題

命題とは、何かを主張する文のことです。例えば「雨が降っている」といった文を命題といいます。もちろん $x = 1$ といった数学的な文も命題です。

「埼玉県は海に接している」も命題です。しかしこの「埼玉県は海に接している」という命題は誤り(これからは『偽』といいます)。なぜなら埼玉県は海に接していないからです。このように命題は正しいものと誤りのものがあり、それぞれ『真の命題』『偽の命題』といいます。

命題には真と偽がある。

1次の命題の真偽を確かめなさい。

$(1)$ 山口県は中国地方にある。

$(2)$ 織田信長の家臣に武田信玄がいた。

$(3)$ 日本とアメリカの間に大西洋がある。

$(4)$ $-4$ の絶対値は $4$ である。

$(5)$ $\sin 60^\circ = \dfrac{1}{2}$

$(6)$ $3^2 = 10$

[su_accordion]
[su_spoiler title="解答" style="fancy"]

1

$(1)$ 真

$(2)$ 偽

$(3)$ 偽

$(4)$ 真

$(5)$ 偽

$(6)$ 偽

[/su_spoiler]
[/su_accordion]

2次の命題の真偽を調べなさい。

$(1)$ $x > 1 \Rightarrow x > 0$

$(2)$ $x > 1 \Rightarrow x > 2$

$(3)$ $x^2 > 1 \Rightarrow x > 1$

$(4)$ $x > 1 \Rightarrow x^2 > 1$

$(5)$ 整数 $n$ について $n > 1 \Rightarrow n \geqq 2$

$(6)$ 整数 $n$ について $n$ が $4$ の倍数ならば $n$ は偶数

[su_accordion]
[su_spoiler title="解答" style="fancy"]

2

$(1)$ 真

$(2)$ 偽

$(3)$ 偽

$(4)$ 真

$(5)$ 真

$(6)$ 真

[/su_spoiler]
[/su_accordion]

このように命題は基本的に真偽をつけることができます。ここで $(3)$ の $x^2 \gt 1 \Rightarrow x \gt 1$ がなぜ偽であるか考えてみます。例えば $x = -1$ の時、$x^2 > 1$ は成り立ちますが、$x > 1$ は当然成り立ちません。このように特定のケースを見つけて命題が偽であると主張できる場合があります。これを反証といい、この特定のケースを反例といいます。ここでは $x = -1$ が反例となります。

3次の命題はすべて偽である。それぞれについて反例をあげなさい。

$(1)$ $xy > 0$ $\Rightarrow$ $x > 0$ かつ $y > 0$

$(2)$ $n$ は $3$ の倍数 $\Rightarrow$ $n$ は $6$ の倍数

$(3)$ $n$ は $3$ の倍数 $\Rightarrow$ $n$ は奇数

[su_accordion]
[su_spoiler title="解答" style="fancy"]

3

$(1)$ $x = -1,\ y = -1$

$(2)$ $n = 3$

$(3)$ $n = 6$

[/su_spoiler]
[/su_accordion]

命題の否定

命題はその否定を作ることができます。例えば「雨が降っている」の否定は「雨が降っていない」に、$x = 1$ の否定は $x \neq 1$ になります。数式を否定する時はイコールをノットイコールにします。また $x > 1$ の否定は $x \leqq 1$ となります。

4次の命題の否定を作りなさい。

$(1)$ 私はペンを持っている。

$(2)$ 犬は哺乳類でない。

$(3)$ $x^2 - 2x + 1 = 0$ の解は $1$ のみである。

$(4)$ $2^2 = 4$

$(5)$ $\tan 45^\circ > \dfrac{1}{2}$

$(6)$ $1 + 1 > 3$

[su_accordion]
[su_spoiler title="解答" style="fancy"]

4

$(1)$ 私はペンを持っていない。

$(2)$ 犬は哺乳類である。

$(3)$ $x^2 - 2x + 1 = 0$ の解は $1$ のみとは限らない。

$(4)$ $2^2 \neq 4$

$(5)$ $\tan 45^\circ \leqq \dfrac{1}{2}$

$(6)$ $1 + 1 \leqq 3$

[/su_spoiler]
[/su_accordion]

『かつ』『または』が入っている命題の否定

続いて『$x = 2$ かつ $y = 1$』といった $AND$ が入っている命題の否定について考えてみます。結論としてこの命題の否定は『$x \neq 2$ または $y \neq 1$』となります。つまり個別の文を否定にして、『かつ』を『または』($AND$ を $OR$)にします。逆に『または』の否定は『かつ』になります。

5次の命題の否定を作りなさい。

$(1)$ 私はペンを持っている、かつ、あなたはパンを食べていない。

$(2)$ 犬は哺乳類でない、または、猫は魚類でない。

$(3)$ $x = 9$ または $y = 0.5$

$(4)$ $x \neq 1$ かつ $y = 3.14$

$(5)$ $3^2 = 3$ または $4^2 \neq 16$

$(6)$ $\tan 45^\circ \neq \dfrac{1}{2}$ かつ $\tan 30^\circ \neq \dfrac{1}{3}$

[su_accordion]
[su_spoiler title="解答" style="fancy"]

5

$(1)$ 私はペンを持っていない、または、あなたはパンを食べている。

$(2)$ 犬は哺乳類である、かつ、猫は魚類である。

$(3)$ $x \neq 9$ かつ $y \neq 0.5$

$(4)$ $x = 1$ または $y \neq 3.14$

$(5)$ $3^2 \neq 3$ かつ $4^2 = 16$

$(6)$ $\tan 45^\circ = \dfrac{1}{2}$ または $\tan 30^\circ = \dfrac{1}{3}$

[/su_spoiler]
[/su_accordion]

『すべて』『ある』が入っている命題の否定

『すべてのカラスは黒い』という命題を考えてみます。『すべて』という言葉に注目してください。この命題を否定すると『あるカラスは黒くない』となります。『黒い』が『黒くない』に変わるだけでなく、『すべて』が『ある』に変わってしまうのです。

逆に『ある』の否定は『すべて』になります。例えば『ある犬は白い』という命題の否定は『すべての犬は白くない』となります。

6次の命題の否定を作りなさい。

$(1)$ すべての星には水がある。

$(2)$ ある犬は猫と喧嘩しない。

$(3)$ すべての数は $0$ 以上である。

$(4)$ すべての三角形は三辺が等しい。

$(5)$ すべての数について、その二乗は $0$ 以上である。

$(6)$ すべての数 $x$ について、$x^2 + 1$ は $0$ 以上である。

[su_accordion]
[su_spoiler title="解答" style="fancy"]

6

$(1)$ ある星には水がない。

$(2)$ すべての犬は猫と喧嘩する。

$(3)$ ある数は $0$ 未満である。

$(4)$ ある三角形は三辺が等しくない。

$(5)$ ある数について、その二乗は $0$ 未満である。

$(6)$ ある数 $x$ について、$x^2 + 1$ は $0$ 未満である。

[/su_spoiler]
[/su_accordion]