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[小学生に向けた解説]三権分立とは?三権分立のわかりやすい解説

主に小学生に向けて、三権分立についてわかりやすく解説します。

三権分立という言葉を考える前に、法律と、行政と、裁判について考えてみよう。以下、説明をわかりやすくするために、話をもっているところがあります。予めご了承ください。

法律ってなに?

例えば、コンビニに行ってチョコレートを盗んでしまった人は、泥棒!として警察に捕まって大変なことになってしまいます。

それは「物を盗んではいけない」という法律があるからです。

私たち全員が守らないといけない「~はやっちゃダメだよ」「~をやったら警察に逮捕されるよ」みたいなルールを、法律というんだね。

そして、この法律というルールを作るところが、国会なのだ。

行政ってなに?

例えば、結婚して赤ちゃんを産んで、その子を「太郎」と名づけたとします。

そうしたらその子が「太郎」であることを、役所というところに行って、「この子、太郎って言うんです。よろしくお願いします」というわけですね。

そうすると役所は「はい、わかりました」と言って、まあいろいろお仕事をします。

で、太郎くんが五歳か六歳くらいになると、役所から「太郎くん、君はそろそろ小学校に入って勉強しないといけないよ」みたいな手紙が届きます。

そして太郎くんは小学校に行きます。

ここでもし、太郎くんが生まれたときに役所に行かなかったらどうなるか?

恐ろしいことですが、太郎くんは、小学校に入ることができないかもしれません。

役所という場所は、太郎くんという子が小学校に入ったり、太郎くんがどこに住んでいるかをきちんとチェックしたりと、見守っているのです。

役所は日本にいるすべての人たちが、きちんと生活できるように、裏であれこれいろいろやっているんですね。

この役所のお仕事を、行政といいます。

そしてこの行政のトップにいるのが、内閣なのだ。内閣がなかったら、私たちはな~んも生活できません。生活のありとあらゆるものは、行政を行なっている役所、そしてそのトップにいる内閣によって支えられています。

裁判

例えば、ボールを投げて、人の家のガラスを割ってしまったとします。

その家のご主人、とんでもなく怒って、「ガラスを元通りにしろ!!!!!」と言ったとします。

そうしたら、あなたとご主人は裁判所に行きます。裁判所には裁判長という偉い人がいます。この人が、あなたとご主人から話を聞いて、あなたがどれだけご主人にお金を払わないといけないか、決めます。

「ガラスはいったいどのくらい割れたのかね?」
「えーとまあ、全部です」
「本当に全部なのかね」
「いや、嘘です。窓の半分が割れました」
「じゃあ一万円くらいだろうな。よし、君は一万円をこの人に払って謝りなさい」

とかなんとか言います。

こんなふうに、なにか事件が起きたとき、二人の間に立ってあれこれする場所を、裁判所といいます。ちなみに悪いことをして警察に捕まると、最後はこの裁判所に連れていかれます。そして何年刑務所に入るか、裁判長によって決定されます。

国会、内閣、裁判所のざっくりまとめ

ここまでをまとめると

国会が法律を作って

内閣が生活を支えて

裁判所が事件を解決する

となります。

三権分立(国会のチェック)

国会は法律を作ることができます。ということは

「赤信号のときに横断歩道を渡ったら、罰金一億円」

という恐ろしい法律を作ることもできてしまうわけです。ありえないですよね、罰金一億円なんて。

こんなバカげた法律を作らないように、内閣と裁判所は国会をいつもチェックしています。変な法律を作ったら、内閣は国会で法律を決めている人たちをクビにできます。

また裁判所も、「いやいや、この法律あかんでしょ」と厳しくチェックできます。

三権分立(内閣のチェック)

内閣は私たちの生活を支えています。でもだからこそ、恐ろしいこともできるわけです。私たちの生活を危険にさらすようなことも、その気になったらできてしまう。

そこで裁判所は、内閣が変なことをしないかいつもチェックします。

三権分立(裁判所のチェック)

ここまで読むと、裁判所ってなんでもかんでもチェックしている厳しいところだな~と思うでしょう。

そうです。裁判所は「あいつちゃんとやってんのかな?」とチェックするのが仕事です。

そうすると、あれやっちゃダメ、これやっちゃダメ、と文句ばっかり言うこともできるわけですね。

裁判所が変だと「え? 俺別に正しいことしているのに、これはダメなの? わけわかんねーよ!!」と怒る人も出てくるでしょう。

そこで裁判所自体をチェックする必要も出てきます。これは国会と内閣です。

実は裁判所にいる人たち(裁判官)は、内閣が決められます。そして国会は「この裁判官、最近おかしいことをしているからやめさせたいな」というときにやめさせることもできます。

注 わかりやすさのために、必ずしも正しくないことを言っています。正確には首相官邸のホームページなどを見てください。

三権分立まとめ

国会、内閣、裁判所は、それぞれ大きな力をもっている。だからこそ、きちんと仕事しているかどうか、互いにチェックするのです。

この絶妙なバランスが崩れると、国というものは崩れてしまいます。私たちも生活できなくなってしまうでしょう。

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