ソクラテス(無知の知と問答法)

ソクラテスは知と徳を考察した古代ギリシアの哲学者である。ソクラテスの後、プラトンアリストテレスと続く。

無知の知

ソクラテスはアテネのデルフォイの神殿で「ソクラテスは最も賢い」という神託を聞きつけたが、これを次のように解釈した。

「私はなにも知らないことを知っているから、神託を受けたのかもしれない」

当時のギリシアには、真理をねじ曲げて自分の都合のいいように話を展開するソフィストという人々がいた。ソクラテスはソフィストのように「知っているふり」をしないで、自分の無知を積極的に受けとめたのである。これを無知の知という。

プロタゴラスは「人間は万物の尺度である」といって相対主義的な立場をとったが、ソクラテスはそのような姿勢を批判し、絶対的な真理を求めようとした。そのためにはまず無知の知を自覚することが重要であり、それが知の探求の出発点であるとした。

問答法

巧みな話術で都合のいい話をする人々は、真理を知っているわけではない。デルフォイの神託によって無知の知を知ったソクラテスは、ソフィストのような人々も無知の知を自覚することが必要だと考えた。

相手に無知を自覚させるため、ソクラテスは相手に質問を投げかけるやり方をとった。これを問答法という。問答法は相手に知識を与えるわけではないが、無知を理解させることで間接的に真理に近づけさせることができる。相手の真理追求を助けているという意味で、問答法を助産術ともいう。

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