説得力のある話し方の三大法則〜聞く姿勢、温和な発声、適切なたとえ話
これまでいろいろな人と話をして、説得力のある人には共通した話し方があるとわかってきました。コミュニケーション力が教育でも重視され、「何の話をどのように話をするべきか」という術を身につけることは大切な課題になっています。
最初に「説得力」の本質を考えてみましょう。結論から言えば、説得力とは「信頼」を得る力です。理論をふりかざしても、共感されなかったら説得力があるとは言えない。
逆に語彙力がなくて子どもっぽい話し方でも、共感されたら説得力を持つと言える。これが意味するところは、説得力とは同じ言葉、同じ発声でも相手によって変わるということです。
丁寧に聞かない限り、説得力は持たない
話し方が聞き方に影響されるというのは、まさにコミュニケーションの本質を表しています。自分が話をしている時、相手は聞いている。相手が話をしている時、自分は聞いている。このくりかえしがコミュニケーションであり、だからこそ話し方と聞き方は互いに影響しあう。
説得力のある人は一方的に話をしない。相手が話したいことを話させるが、だからといって何も言わないわけではない。ただ黙って傾聴しても、日常的なコミュニケーションはなかなかとれない。コミュニケーションは双方的に行われて初めてコミュニケーションとなるため、一方的に話すやり方はそもそも間違えている。
説得力のある人は対話するという姿勢を重視し、自分と相手の価値観や経験を共有することでコミュニケーションを成立させようとする。
温和な発声
攻撃的、好戦的な話し方もうまくいかない。好戦的な話し方は好戦的な人とうまくいくかもしれないが、そうでない人と打ちとけることは難しい。好戦的かどうかは言葉そのものでなく、声の出し方で90%が決まる。語彙力も大切ですが、発声はもっと重要です。
人間は偽善かどうかの判断をいたるところで行います。挨拶の仕方一つでも判断する。温和な話し方でも、「そうですね」「はい」「ありがとうございます」といった平凡な言葉で大げさな抑揚をつけると、その話が本音から出たものでないと伝わってしまう。特に「〜ございます」という言い方には気をつけるべきかもしれません。
ここが危ない!温和が偽善になる言葉
- 〜でしょうか?
- 〜ございます
- なるほど
- かしこまりました
個人的な感性になってしまいますが、「なるほど」という言葉は要注意。私は「なるほど」を特に避けて、頭から完全に追い出しています。「なるほど」も言い方で本音になったり、嘘っぽくなったりしますが、自分の説得力を上げるためには避けたほうが無難だと思います。
適切なたとえ話
「たとえ話」とはそもそも何でしょう? こみいって複雑なものを、わかりやすく具体的に説明するために引き合いに出す話ですね。
私たちは抽象的な世界に生きているので、同じところをグルグル回るようなコミュニケーションになりがちです。そこで「たとえ話」が出てきます。仕事がなかなか終わらない人を励ます時、マラソンを引き合いに出して「オリンピックのランナーたちは折り返し地点でこんなことをするらしいよ」と言うほうが、なんとなく励ますよりも効果があるでしょう。
抽象的な話は理性的です。具体的な話は肉体的です。私たちは人工知能と違って肉体を持っているので、肉体的な話に耳を傾けます。
追記:説得力を損ねる話し方〜過剰な論理、矢継ぎ早に出てくる言葉、ネチネチ感
説得力はそれ自体が生き物のようで、たった一言で今までの言葉すべてが嘘に聞こえるということがあります。「さっき〇〇と言っていたけど、結局は△△と思ってるんだろ」なんてがっかりするように…。
説得力を半減させる話し方のキーワードは、過剰な論理、早すぎるテンポ、粘着感です。
過剰な論理…理屈っぽい話し方は、それだけで説得力を失ってしまう。その理屈がどれだけ完全っぽく見えても、他人は完全とみなさない。人間は理性と感性の間を揺れ動く存在であり、行動も経済も理論と直感の間を揺れ動く。どちらかに異常に傾いた話を聞くほど、私たちは人工知能のほうに堕落してはいない。
早すぎテンポ…考えるより早くしゃべってしまうと、コミュニケーション不足の印象を相手に与えてしまう。私たちは善意と悪意を持ちながら、コミュニケーション力の上下関係を意識してコミュニケーションをとる。コミュニケーションに慣れていないと相手に思わせた瞬間、相手の悪意を膨らませることになり、そこから説得力をもたせることは困難になる。
粘着感…人はあっけらかんとしている人を好みます。陽気な人には人が集まり、陰湿な人には人が寄らない。粘着質な言い方は、その人の暗い側面を強調するので、口から出てくる言葉に共感する人はそれだけ減ってしまう。
…以上、私の個人的な意見をダラダラと述べてみましたが、どうでしょうか。今回の記事を簡潔にまとめるとこうなります。
- 相手の話を丁寧に聞く
- 温和にしゃべる
- うまいたとえ話をする
- 無駄に論理をふりかざさない
- 落ち着いてテンポをとる
- ネチネチではなくスッキリした感じで
ミニ自己啓発
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