硫酸の性質(酸化力・脱水力・吸湿性)と接触法による製法

硫酸(H2SO4)は硫黄をふくむ強酸性・不揮発性の液体。濃硫酸は希硫酸に比べて酸が弱いが、熱濃硫酸は酸化力が非常に強い。

硫酸 Sulfuric acid

硫酸の性質

・強酸性、不揮発性、粘性

希硫酸と濃硫酸は酸化力に違いがあるものの、どちらも強酸性・不揮発性・粘性をもつ。揮発性とは液体の蒸発しやすさで、揮発性という言葉自体で蒸発しやすいこと、不揮発性は蒸発しにくいことを意味する。

硫酸と硝酸の大きな違いはこの揮発性にある。硫酸は不揮発性だが、硝酸は揮発性であり、この違いを利用して硝酸塩から硫酸をとりだすことができる。

参照 揮発性酸塩+不揮発性酸

濃硫酸の性質

・脱水力 ・吸湿性

希硫酸になく濃硫酸にある性質は水を奪う力であり、これによって濃硫酸はしばしば乾燥剤として使われる。

濃硫酸の希釈

硫酸の希釈の注意点にあるように、硫酸の希釈は注意しなければいけない。

濃硫酸を希釈するときは、大量の水に濃硫酸を入れるようにする。濃硫酸に水を入れることは絶対厳禁。

濃硫酸に水を入れると、水が濃硫酸の表面につくと、濃硫酸が水に比べて密度が非常に重いことから水が沈まず、水と濃硫酸が激しく反応してしまう。その結果、その水が急に沸騰して周囲に飛び散ってしまう。

硫酸イオンと2族元素の反応

硫酸イオンはアルカリ金属などと塩をつくる。2族元素の硫酸塩の可溶性は次のとおり。

ベリリウム 溶ける マグネシウム 溶ける カルシウム あまり溶けない ストロンチウム 溶けない バリウム 溶けない

硫酸バリウム(BaSO4)が水に溶けないことに注意。硫酸バリウムはX線造影剤として使われる。

硫酸の製法

硫酸は接触法によってつくる。

  1. 硫黄を加熱して二酸化硫黄をつくる
  2. 二酸化硫黄を酸化バナジウム(Ⅴ)触媒のもと酸化して三酸化硫黄をつくる
  3. 三酸化硫黄を濃硫酸に入れて発煙硫酸にした後、発煙硫酸に希硫酸を入れて濃硫酸をつくる

酸化バナジウム(Ⅴ)はV2O5

  1. S + O2 → SO2
  2. 2SO2 + O2 → 2SO3
  3. SO3 + H2O → H2SO4

硫酸とベンゼン

ベンゼンに硫酸を加えて加熱すると、ベンゼンスルホン酸ができる。

ベンゼンスルホン酸を水酸化ナトリウムで中和したベンゼンスルホン酸ナトリウムは有機化学において中心的であり、フェノール製造の出発でもある。

芳香族炭化水素15

参照 フェノール

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