東京大学はどんな大学で、どんな学生がいるのか?

2017/10/19

Shinichiro Sakamoto

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東京大学はすばらしい大学で、多様な学生がいます。この記事では私の五年間の大学生活をふりかえりながら、これから大学受験をひかえた高校生と浪人生の方に向けて、伝えられることを伝えたいと思います。

経歴

出来事
2006年 開成高校を卒業する
2006年 理科一類の32組に入る
2008年 理学部に入る
2011年 卒業する

試験

私はこの記事を10月に書きました。あと4ヶ月で、受験生は二次試験を受けることになります。もし私が受験生だったら、当日のことを考えただけで手に汗が出てきたと思います。

私は本郷キャンパスで受験しました。文系は駒場キャンセル、理系は本郷キャンパスで基本的に受験することになる(現在はわからない。赤本などで調べてください)と思います。

当日は土砂降りの雨でした。2006年度の受験生は全員、当日を悪夢のようにふりかえるでしょう。本当にひどい雨で、とても冷たい風がビュンビュンふいていました。会場の法学部一号館(?)に入ったとき、嫌な事件が起きました。

受験票をもった一人の学生が、途中にある坂でこけて、書類かなにかがぐじゃぐじゃになったのです。

私は「しっかりしないと」と気持ちを引きしめて、暖房があまり効いていない冷たい会場に入りました。

…(受験当日については別の記事にします)

合格発表

合格発表はあっけないものでした。自分の番号を見つけた人は、おそらくみんな「よっしゃ」「やった」と言うと思います。私は一人で「よかった」とぼそっと言いました。するとアメフト部の人たちが五人くらいやってきて、私を胴上げしてくれました。

胴上げされているときの、空が見えたり見えなくなったりする、あの光景は今でも忘れられません。

理科一類の32組に入ることが決まる

入学式までに新入生はさまざまな手続きをせわしなくやっていきます。手続きを正確にやらないと入学を許可してくれないので、かなり入念に、慎重に手続きをした記憶があります。その間、身体測定もやりました。

ひよこのイラスト

私はドイツ語32組に入り、入学前の寒い日の朝、将来のクラスメートになる人たちと集まり、バスに乗って静岡県の箱根のほうにいきました。

旅館に泊まっている間、人の多様性を実感することに

私にとってこの旅館の宿泊はとてもいい思い出になりましたが、あらためて東大という大学のユニークな特徴を理解しました。

バスが旅館についてから、私たちは荷物を部屋に持っていき、知り合ったばかりの友人と話をしていました。もうこの時点でいくつかのグループが作られているのです。記憶があいまいな部分もありますが、確かこんな感じのグループだったでしょう。

  • 広島出身と大阪出身の漫才のような語りあい
  • サッカーなどに興味があるグループ
  • マジックが好き
  • 物理が好き
  • アニメが好き
  • なにかを食べながら「これからどうなるのかな?」などと話しているグループ(私たち)

バスのなかですでに頭角を現していたのが、ややふっくらした憎めない顔のAくんでした。Aくんは旅館でも人気者としていろいろな人としゃべりまくっていました。

高校でマジック同好会に入っていたという人が、コインかトランプの手品を何人かに見せて、かなりもりあがっていたように記憶しています。私はおやつかなにかを食べながら、ぐでっと横になって「今日は寒いよね」くらいのつまらない話をしていました。

その横で物理を熱心に話している男性Bくんがいました。熱弁と声の大きさから、彼は少し目立っていました。高校生というのに、まして受験が終わったばかりの大学生というのに、量子力学についてなにかを語っているのです。

バレーボール場に移動開始

やがて先輩の一人がやってきて「おーい、準備ができたから体育館に移動するぞー」というので、私たちは足をぼりぼりかきながら、よっこいしょと疲れた足を引きずって、部屋を後にしようとしました。

部屋を出る最後の数人に私はいました。

「俺はパスするわ」

と後ろから、長身の男Cくんが私たちに言いました。私はCくんと付きあいはありませんでしたが、私個人はとてもひかれていました。本当はどのような人だったのか、今でも少し気になります。

Cくんは、体操着に着替えておらず、みんなが体育館に移動するなか、テレビの前に陣取った布団のなかに寝転がって、お笑い番組かなにかの再放送を見ていました。

夕食と風呂が終わり、待ちに待っていた夜がやってきます。そこで私はいろいろな人と

  • どんな教科が好きだった?
  • 芸能人は誰が好き?
  • 携帯電話なに使っているの?

みたいな他愛のない話をしていました。そこにBくんが隣にやってくると、彼のオーラに圧倒された私たちは、なんとなく量子力学に興味があるふうを装って、彼の物理話を聞くことになりました。

私は物理選択者で、得意な教科でした。しかし彼は私よりもたくさんの知識をもち、私よりも情熱をもっていました。

一方その頃、Cくんはあいかわらずテレビを見ていました。この時点で私は彼に興味があったので、物理の話が終わった後、彼に声をかけることにしました。

結局、話は長く続きませんでした。

入学

旅行の後、いよいよ入学です。私たちは二年間を一緒に過ごすことになりました。五月祭などの話はまた別の記事にしようと思います。

ひとまず結論

かなり長くなってしまったので、大学生活の紹介は全10回のシリーズにします。今回はその第1回にあたりますが、ここまで見ただけでも、いろいろな学生がいることに驚かされるでしょう。

女性は登場していませんでしたが、実は2人いました。しかし30人以上いるなかの2人です。つまり理科一類を目指す人は、競争率が二桁を超えることを覚悟しなければいけないのです。

おもしろいことに、女性に本当に興味を持たない男性が半分います。彼らは圧倒的なパワーで勉強しているか、圧倒的な集中力でアニメを見ています。受験生のみなさんは、東大に合格した後も、1日に15時間の勉強を4年間続けるような人がいることを知ってください。

彼らは東大に入りたいから勉強したのではありません。勉強したいから勉強したのであり、そこに東大があったから東大にきたのです。このような層は私のクラスに5人ほどいました。全体では1割くらいだと思います。

そしてアニメやゲームがとても好きであるという層も分厚く存在しています。

しかし3割ほどの人は、いわゆる学園生活、適度な勉強、適度な部活、適度な恋を追いかける人です。

施設

東大の学生が多様性に溢れていることはこれまでの説明どおりです。では東大の先生や施設はどうでしょうか?

東大の先生は教会にいる牧師のように、害を言わない無害な人たちです。もちろん嫌な先生、すぐ怒る先生はいます。ただしとても少なく、ほとんどの先生はいつも疲れたように、あまり記憶に残らない真面目な授業をして何事もなく帰っていくのです。

私は東大の授業を面白いと思ったことは、ほとんどありません。

施設はすばらしいの一言です。海外の大学と比較したらわかりませんが、日本では東大以上に優れた施設をもつ大学はないと思います。規模が大きく、巨大な実験設備があり、国家プロジェクトとして最先端の技術を研究している研究棟もあります。

ただし、授業で使う部屋はだいたい古く、半分くらいの建物は冷暖房が老朽化のせいかうまく効いていない。

とはいえキャンパスは歩くだけで癒されるような敷地です。あの敷地を毎日歩く権利をもらうために東大を受験するという選択も間違っていません。そのくらい緑があり、道は幅広で整えられ、夜になると美しい灯りが連なるのです。

(第1回おわり)


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