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位相(トポロジー)の定義、概念、例

Xを集合、{Xa}をXの部分集合の集まりとする。{Xa}は次の性質を満たすとき、Xの位相という。

  1. 空集合とX自身が{Xa}に含まれる。
  2. {Xa}から元を任意にとりだして、それらを合わせた集合は{Xa}に含まれる。
  3. {Xa}から元を任意に有限個とりだすと、それらの共通部分の集合は{Xa}に含まれる。

概念

位相は距離を一般化したものです。最初は難しく考える必要はないと思います。

位相は、その集合がユークリッド空間のような数値的な空間でないときに応用されます。位相が入っている空間は、元と元に遠い・近いの概念が入ります。

距離空間は位相空間です。ここでは私の好きな食べ物と嫌いな食べ物からなる集合に位相を入れて、食べ物どうしの遠い・近いを考えます。

集合:まぐろ、さんま、イカ、ごはん、パン、メロン、トマト、ブロッコリー

部分集合を次のようにセットする。

  • 空集合
  • 全体集合
  • まぐろ、メロン
  • さんま、トマト
  • イカ、パン、ブロッコリー

上で定めた部分集合の集合(部分集合の集合を以降「族」という)は、たぶん位相の定義を満たしています。

位相の定義を見ると、最初はなぜそれが距離の一般化になっているかよくわからないかもしれない。しかし上のリストを見ると、まぐろとメロン、さんまとトマト、イカとパンとブロッコリーが近い食べ物であることがわかると思います。

実は私はまぐろとメロンが好きで、イカとパンとブロッコリーが嫌いなのです。私の好き嫌いで、まぐろとメロンの距離は、まぐろとブロッコリーの距離よりも近いことがわかります。もちろん実際に距離をはかることはできません。

数値化できないが、なんとなく遠いと近いの概念をセットしたいときに位相を用意します。

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