トラストとコンツェルンとカルテル

トラストは、同じ業種(または近い業種)の会社が合併し、巨大化すること。その業種の市場を独占する目的で行われる。

コンツェルンは、複数の業種の会社を子会社化すること。

カルテルは、その業種における会社が価格などを調節しあって、健全な市場競争を阻害すること。

トラスト

トラストの代表例としてアメリカのUSスチールとスタンダード・オイル(スタンダード・オイル・トラスト)がある。カーネギーの鉄鋼会社といくつかの会社が合併して生まれたUSスチールはアメリカの鉄鋼市場、ロックフェラーのスタンダード・オイルは石油市場をそれぞれ独占した。


スタンダード・オイル(オハイオ)

世界初のトラストはスタンダード・オイル・トラストであり、1911年に解体され、現在のエクソン・モービルなどになった。

コンツェルン

「…ホールディングス」などの名前をもつ会社がコンツェルンにあたる。一つの親会社が複数の子会社をもち、その子会社がさらに複数の孫会社をもつ、といったピラミッド構造によって大きなグループを作っている。

コンツェルンの代表例は三菱や三井などの財閥である。第二次世界大戦後の財閥解体によってこれらのコンツェルンは形式的に解体されたが、「…ホールディングス」「…フィナンシャルグループ」などが2000年以降に現れている。

コンツェルンという言葉そのものはドイツ語を由来とし、英語では concern という。

カルテル

カルテルは企業間の協定であり、生産物の価格を高く維持するために結ばれる。少数の会社が市場を独占しているときに生じやすい。カルテルによって生産者は低価格化による競争過多を免れるが、その生産物を購入する消費者や他の会社は高価格に苦しむことになる。

カルテルは自由な市場競争を阻害するものと考えられている。

独占

以上の企業形態は、市場と利益を独占することが目的である。市場を独占すると生産コストが下がり、競争相手よりも優位に立ち、さらに繁栄して市場を独占する。こうした正の循環によって、一部の会社が市場の価格と技術を決定するようになる。市場価格を自ら決定できる組織をプライス・リーダーという。

プライス・リーダーは独占的立場を利用して、商品の形や技術などの規格を決定する。国や地域などの公的な団体ではなく、特定の会社が決めた基準記述をデファクト・スタンダードという。デファクト・スタンダードの例としてWindowsやブルーレイディスクなどがある。

一部の会社が市場の利益を独占することは、各国の独占禁止法で禁止されているが、異なる市場と製品が複雑にからみあっていることから、独占の度合いを単一の数値で決めていることはない。日本は独占的な取引を監視する公正取引委員会がある。

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