子どもを自立的に勉強させる方法:ストレスに強くなる、成功体験を重ねる、金融の知識をつける
子どもが自立的に勉強するときがあります。それは好奇心を覚えたときです。
「数学を勉強しろ」と言われて数学を勉強するのは正しいし、私たちは命令されないと動かないところもある。命令や強制のない環境では勉強しようという姿勢は生まれない。
しかしそれが行き過ぎると逆効果になることも私たちは知っています。どうすれば子どもの好奇心をうまく引き出して、のびのびと自由に勉強できる環境を作ることができるでしょうか?
好奇心を感じさせる方法
私は、好奇心はいくつか種類があると考えています。
- 純粋に学問的な好奇心
- 純粋に非道徳的な好奇心
- 悲観的な環境から抜けるための好奇心
- 競争に優位に立つための好奇心
- お金もうけの好奇心
学問的な好奇心は小さい頃に爆発し、高校生くらいになると小さくなっていきます。学問的好奇心の大きい人が研究者を目指す。この好奇心が高校生まで持続する場合は、成績の面で大きな失敗をすることはほとんどない。
続いて非道徳的な好奇心。これは厄介な好奇心で、中学生くらいになると勢いがつきます。この好奇心は学校の環境と友だちの人間関係が影響するので、子どもの人間関係はいつも注意して見守る必要があります。
ここからがポイントです。以下の三つが、実際に子どもを勉強させる三大好奇心です。
- 悲観的な環境から抜けるための好奇心
- 競争に優位に立つための好奇心
- お金もうけの好奇心
悲劇的な環境
私たちはさまざまな不幸に囲まれています。学級崩壊、いじめ、満員電車、怖い先生、不快な定期試験、寝不足、成績不振、同級生からの侮辱…こうしたストレスやコンプレックスをはね返すために働く好奇心というのがあります。
例えば満員電車を考えてみましょう。一部の現実的な子どもは「電車に乗っている時間がもったいない」とわかるようになります。この負の環境をどうにか「克服」しようとあれこれ考え始めるのです。そうして自主的に、「電車に乗っている間はスマホでウィキペディアを見る」といった習慣を身につける。
成績不振で同級生から屈辱的なことを言われたとしましょう。ただショックを受けるだけの人もいれば、言った人をどうにか見返すための方法を考える人もいます。
強いストレスを感じている時、人間はそのストレスをどうにかしようと長期的な戦略を立てます。これは一種の生存本能で、これが勉強に向かう時に成績は伸びます。
競争に優位に立つ
成績がいい人は、過去に成功体験があります。成功が成功を導くのです。失敗から成功につながる場合もあります。しかしほとんどの場合、失敗(苦手な科目)が成功(得意な科目)になることはめったにない。
一度成功すると、成功者はさらに上に立つために努力する。なぜなら、競争に勝った時の満足感は自己実現そのものだからです。成績にいい人がなかなか(悪い言い方ですが)落ちぶれないのは、一度つかんだ成功と高揚感を離したくないから。
競争で勝ちたいという欲求は、自立的に勉強する上で不可欠になるでしょう。
お金もうけ
最初からお金に興味を持っている子どもがいます。私もその一人でしたが、お金に強い関心のある人は成績が上がりやすい。お金は強烈な好奇心をかきたてるのです。
お金もうけの話は教育でタブーとなっているようです。少なくとも日本でお金の話をする先生はほとんどいない。誰も言わないし、ほとんどの先生が悪・ナンセンスと思っているお金もうけの話こそが、実は子どもの数学力を鍛える原動力になるにもかかわらず。
実際、私が大学で数学科に在籍していた頃、いつもお金もうけの話をしている先輩がいました。三人か四人で集まって、「株で絶対にもうかる方法」という怪しい話をしているのです。この怪しい人たちは黒板に難解な数式を書いて、真面目に議論していました。彼らはいたって真面目でした。よく考えると数学科の履修科目にアクチュアリーがありましたね。
お金もうけが数学につながるのは、場合の数、平均、割合、利子、グラフ、関数、確率、統計といった分野があるからです。中学生くらいになるとお金の概念がわかってきます。やがて預金の利子のばかばかしさに気づいて、うまいことお金をシンプルに稼ぐ方法を考えはじめる。私もそうでした。そうして株式や保険を独自に調べたり、期待値の勉強をする。
期待値。私たちはいつも期待値という言葉を好んで使っていました。お金もうけの中心にあるこの概念は、場合の数や確率を知らないと理解できない。将来うまくお金もうけするために期待値を勉強する。そのために数学を勉強する、という感じです。
大人は具体的にどうサポートすればいいか?
以上をまとめて、大人はこんなサポートをすればいいと思います。
- ストレスをむやみに奪わない。
- 得意分野でいい点をとれるように工夫する。苦手分野で怒らない。
- 金融リテラシーを身につけさせる。
ストレスを奪わないことがまず重要です。ストレスがあるところに好奇心が生まれます。ストレスをどうにかしようともがかないといけない。
得意な分野を作って、そこで成功体験を重ねさせる。そのために苦手な分野を犠牲にすることもいとわない。苦手なものが得意なものに変わることはめったにない。これをまず家族と先生は意識しないといけない。
そして金もうけの話をする。こんなことを言うと、私を「なんてろくでもない」と思う人がいるでしょう。でも、成績がいい人、特に理系科目を得意とする人は実際に金もうけの理論が好きなのです。金融リテラシーを幼少期から身につけることがどれだけ大切かは、数々の大富豪の幼少教育を調べるとよくわかります。金融教育が悪い教育だという盲信を捨てるべきです。
教育
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