最近の若者が考える「最近の若者」の性格と高齢者に叱ってほしいこと

生物と歴史を解説するサイトに政治的な記事は合わないが、ふと思ったことを書く。私は「最近の若者」だが、「最近の若者」の性質はいろいろな点で悪くなっている。この知性の劣化は、私自身に当てはまる。

老人が若者を指さして「最近の若者は…」と言ってため息をつくのは、おそらく古今東西にあてはまり、若者は常に劣化する存在といえるかもしれない。

ここで「劣化」という嫌味な言い方は、多くの人を傷つけて不愉快にさせるだろう。最近の若者という言葉自体いらつく人は多いはずだ。しかしその不愉快な気持ちこそ、紛れもなく若者が劣っている証明だ。

「キレる」とは違う陰湿さ

高校生の頃、国語の先生がある日このようなことを言った。

「…電車の中で揉めている人たちがいた。一人は男子高校生で、もう一人は五十代の男。その男は高校生の車内の態度にイライラして、ついに胸ぐらをつかんで注意した。するとその学生は『いいの?殴ったらお前の人生終わりだけど?』と言って、逆に胸を突き出した。殴れるものなら殴ってみろ、と言わんばかりに。男子生徒は間違っていないかもしれないが、昔ではありえない光景だった…」

私は高校生くらいの時から、日本人という人間性がこの男子生徒のようなものに変質していることに気づいて、自分という人間も冷静に分析するようになっていた。当時、逆ギレという言葉が流行していたが、それは本質的ではなかった。もっと根深い、陰湿なものがそこにあった。

国語の先生はおそらく「男に胸ぐらをつかまれてビクビクしている男子生徒」を想像したに違いなかった。ジャイアンのような暴力的なガキ大将が、非力なのび太の胸ぐらをつかむような光景だ。しかし最近の若者は、胸ぐらをつかまれた後、その足で警察署に行くだろう…。

拝金主義と打算

多くの人、いやほとんどの人は財産と収入を価値基準の中心に置いている。それは仕方ないことだが、その考えを露出して、自分が横柄な拝金主義者であることを宣言する「若者」がメディアに現れた。私はこれを知性の劣化だと確信している。

打算と経済的な戦略は金に限らない。人を小馬鹿にして建設的な話をしないことも同様だ。私はこれを侮辱主義と個人的に呼んでいる。巧妙な言い回しと立ち位置、常識をふりかざす行為…今や侮辱に必要なものは醜い直接的な言葉ではなく、姿勢だ。

金と侮辱に思考の矛先が向かうのは、それ以外を考えないからだ。

集団倫理

「自分は人と違う」「社会の歯車にならない」と言って集団から抜け出し、個人として生きることは問題ない。名前をあげないが、そういった価値観を持っている若者は比較的多くなっている。しかし全体としての「最近の若者」の集団倫理は変わっていない。

大学一年の頃。私たちはいくつかのクラスに分かれていた。授業や昼食などはだいたい集団で行動したが、彼らの半分は集団で大声を出し、集団で誰かを罵り、集団で道を闊歩し、道ですれ違う人を後で侮辱した…。

集団に属したとき、若者は圧倒的な力を手に入れる。これは自分が本来弱い生き物であると知らないか、知らないふりをして自己肯定したいからだ。

原因

知性の劣化には明確な原因がある。平和な環境、マニアックな文化、過保護な教育、低いコミュニケーション力。

平和な環境では、土足で家に踏みこまれることはない。危険な人間に追われることもない。ぬるま湯につかっていると頭がのぼせてくるように、平和につかっていると思考力が落ちる。

そしてマニアックな文化。日本は世界から隔絶されたマニアックな文化を持っている。このマニアックさは、戦争と平和や宗教の美しい讃歌と無縁の、マニアック至上主義にもとづくマニアック構築にすぎない。これは歴史的文化ではない。人工的な腐敗である。

過保護な教育は言うまでもない。「最近の若者」と六十以上の高齢者を明確に線引するものは保護教育だ。昭和の中頃まで、学校の先生が生徒を「ぶつ」のは当然だった。しかし今では警察沙汰になる。警察に行くのは、家庭が過保護であり、同時に学校と先生をまったく信じていないからだ。

日本の若者を追いつめるものは非常に低いコミュニケーション力である。人の目を見る、自分の意見をきちんと言う、はきはきとしゃべる、バランス良くふるまう、場の空気を読む、建前をつくる、このようなコミュニケーション力も、最近の若者と高齢者を区別する。コミュニケーション力とは社交性はもちろん、一定の自発性と誠意をふくむが、上で述べたように侮辱主義という常識の只中にいる若者は、本来のコミュニケーション力を持っていない。

日本人の性質

日本人という性質は今の若者が作っていく。つまり胸ぐらをつかまれて「警察沙汰にしてろうか」とにやにや笑うような侮辱が、今後の日本人の性質になる。

これまで長いこと「最近の若者は…」とイライラしてきた老人も、今は声を大きくするべきだ。老人が若者を叱りつけるべき点は次の5点である。

  • ひたすら忙しくしろ
  • ひたすら運動しろ
  • 女々しくふるまうな
  • 自然にはきはきしろ
  • マニアックを捨てろ

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