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ケトンとアセトンの性質とアセトンの4つの製造法

COの構造をもつ有機化合物をケトンという。ケトンの1つにアセトンがある。ケトンは第二級アルコールを酸化したもので、基本的にそれ以上は酸化されない。

官能基5

アセトンの製造

アセトンは次の方法で製造される。

  • 2-プロパノールの酸化
  • プロピレンの酸化
  • 酢酸カルシウムの乾留分解
  • クメン法の副産物

2-プロパノールの酸化は、第二級アルコールの酸化によってケトンができる反応そのものである。酢酸カルシウムを空気のない状態で加熱する(乾留という)と、アセトンと炭酸カルシウムに分解する。

(CH3COO)2Ca → (CH3)2O + CaCO3

クメン法はフェノールの生成を目的としているが、副産物としてアセトンも出てくる。

芳香族炭化水素14

アセトンの性質

  • 酸化されない
  • 還元性をもたない
  • 腐った果実のような匂い
  • 引火性がある

ケトンの一般的な性質からアセトンは酸化されない。ホルムアルデヒドと異なり、アセトンは銀鏡反応を示さない。

アセトンとヨードホルム反応

ヨードホルム反応は、次の構造をもつ有機化合物が、濃度の高いヨウ素ヨウ化カリウム水溶液と水酸化ナトリウム水溶液を加えることで黄色の沈殿ヨードホルムを生じさせる反応である。

官能基6

アセトンはこの構造をもつ。

官能基7

アセトンとヨウ素ヨウ化カリウム水溶液の混合液に水酸化ナトリウム水溶液を加えていくとヨードホルムの沈殿が生じる。ヨードホルム(CHI3)は黄色で、特有の匂いがする。

注意
ヨードホルムはCHI3であってCIH3ではない。

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