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エンドウの同型接合体と異型接合性とアサガオの不完全優性

RR、rrといった対立遺伝子をホモ接合体、Ryといった対立遺伝子をヘテロ接合体という。以降、ホモ接合体を同形接合体、ヘテロ接合体を異形接合体という。

エンドウ豆の対立遺伝子

エンドウ豆は遺伝子の違いから丸かったり、シワがあったりする。ここでは

丸い遺伝子 … R
シワ遺伝子 … r

とする。エンドウ豆はRだけ、もしくはrだけを持つわけではなく、RR、Rr、rrというように、Rとrのどちらかを二つ持っている。Rは丸い形質、rはシワの形質に影響するが、Rとrを一つずつ持っている場合、Rの形質が表れる。遺伝子の組み合わせと外見は次のようになる。

RR … 丸い
Rr … 丸い
rr … シワ

RRが丸く、rrがシワになることはわかりやすい。エンドウ豆の場合、丸い遺伝子はシワの遺伝子よりも「強い」ため、Rrでは丸くなる。

ホモ接合体とヘテロ接合体

上の例では

RR … 同形接合体
rr … 同形接合体
Rr … 異形接合体

となる。つまり同形接合体は同じタイプの遺伝子の対、異形接合体は違うタイプの遺伝子の対を表す。

不完全優性

一部のアサガオは赤でも白でもない、ピンクの花を咲かせる。アサガオの花の色を決める遺伝子を

R 赤
W 白

とすると

RR
WW
RW

の三パターンがあるが、このうちRWという異形接合体はピンクになる。エンドウ豆の「丸」と「シワ」ではヘテロであってもどちらか一方の形質が表れるが、アサガオの花の色では中間色が表れる。このような遺伝を不完全優性遺伝という。

遺伝子でRを使う理由

生物ではしばしば遺伝子をRで表すが、これはRoundの頭文字である。Roundはエンドウ豆の「丸」である。メンデルが遺伝子を発見したときに用いた植物がエンドウ豆だったことにちなむ。

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