投資 銘柄研究

Appleが電気自動車を本当に作ったらAppleの株を売る

Appleの株を売るか迷っています。私は一貫して「なんでも屋はなんにもできない」と言っていますが、もしAppleが車を作ったらなんでも屋になってしまう。テスラの株も持っているので、Appleには車を作ってほしくない。

歴史的に会社は同じ道をたどる。最初は一個の製品を丁寧に作る。次にもっといろんな製品を作る。どんどん作って最後はなんでも屋になり、既存製品の改善をおろそかにする。別の新興企業がそこにつけこんで一気に逆転する。IBMにすきがあったからAppleが生まれたわけだけど、AppleはIBMと同じ道をたどるのか?

Googleも検索エンジン、動画サービス、ブラウザ、地図、メール、ニュース、アンドロイド、クラウドとなんでもやりすぎている。Amazonも。どうして大きな会社はあっちこっちに手を出すのか?それが衰退する罠なのに…。

Appleは電気自動車よりもキーボードを作るべき

Appleは電気自動車を開発するべきじゃない。Appleは電気自動車よりも前に作るべきものがあります。

それは…

キーボードです。今のペコペコカチャカチャキーボードをどうにかしてほしい。キーボードだけは日本製のやつをしかたなく使っている。しかもワイヤレスじゃないキーボード。

そしてiPhoneのカメラをひっこめてほしい。カメラのでっぱりがどうしても気になるという人間はたぶんたくさんいる。iPhoneを机に置いたとき、カメラのせいでちゃんと置けない。その状態で操作するとiPhoneが揺れて、机かiPhoneのどちらかがちょっと傷つく。

つまりAppleにはまだ改善の余地があるのです。それなのにテスラと競争するなんて…

Appleが電気自動車を作ったら株をたぶん売ります。

Appleの歴史から学ぶこと

AppleがAppleになったのはスティーブ・ジョブズが復帰して製品をMacに絞ったことがきっかけ。選択と集中で技術革新を進めるというスタイルがもう一度ここで確立した。

Appleが飛躍したのはiPodがきっかけ。私は高校生のときに第二世代iPodを買いました。ラジオ会館にあやしいプレイヤーが転がっていたときに、小遣いを全部つぎこんで買ったやつでした。iPodで音楽がいよいよ電子化した。mp3はすでに流通していたけど、それはCDに焼いてウォークマンで聞くための媒介にすぎなかった。データを直接読んで聞くプレイヤーはすでにあったけど、画面はついてなかったし、なによりクソだった。

AppleはiPhoneを作ってスマートフォンという完全に新しいものを送りだした。インターネットとソーシャルメディアはスマートフォンと一緒に進化した。つまりスティーブ・ジョブズはMacを含めて3回技術革新を達成している。

しかし今のAppleはサービス業を拡大しているだけで、iPodのような変化はほとんど生んでいない。だからテスラの後追いになっている。これはIBMとインテルの歴史に似ている。

選択と集中を極度に進めていくと技術革新につながるものが生まれるが、それが達成されるとネタ切れになって収益性の向上だけが会社の原動力になってしまう。それがAppleの歴史からわかることです。iPhoneがヒットした理由はインターネットの普及にあります。技術革新は単一の製品で達成されるものじゃなくて、歴史的な背景とうまく融合することが条件です。フォードの自動車はアメリカの銀行が巨大化していたこと、鉄鋼技術が成熟してきたこと、ヨーロッパからの移民労働者が増えていたことなどが重なって達成されている。

時代背景はいつも変わるので、同じ会社が技術革新をするのはそもそも無理なのです。