高校生物必須の問題集 生物記述・論述問題の完全対策(駿台文庫)の評価と使い方
『生物記述・論述問題の完全対策』は生物の参考書兼問題集です。生物、特に国立の生物の記述対策として使えます。本書は生物記述対策の代表的な参考書・問題集です。
項目 | 評価 |
---|---|
使いやすさ | ★★★★★ |
詳しさ | ★★★★ |
おすすめ | ★★★★★ |
レベル | 中級~上級 |
対象 | 高1~高3 |
一ページ一問という構成
おおむね一ページに一問という構成で、ページの途中から問題や解説が始まるようなことがなくページ送りのストレスはまったくない。また一ページに問題と解説と模範解答がすべてのっているため、問題集としても参考書としても使えます。
一ページという狭い範囲を最大限有効活用して図や表を駆使しながらポイントをコンパクトに説明しています。ちなみに二色刷りで重要な語句はピンク色で色分けされています。
記述問題は「何を問われているか?」を字数制限をもとに考える必要がありますが、本書は記述しなければいけないポイントを箇条書き形式で説明し、最終的な模範解答を作っています。解説、ポイント、模範解答の流れが理路整然としているため非常にわかりやすく、非常に効率良く記述対策の勉強ができます。
知識系記述問題に特化
生物の記述問題は大きく①知識系と②論理系に分けられます。知識系記述問題は「血糖量調節の仕組みを述べなさい」といった純粋な知識を要求する問題。論理系記述問題は問題が与えた実験環境などから結果や原因を推論によって記述する問題です。どちらも偏りなく出題されますが、本書は知識系記述問題にやや特化しています。
例えば「減数分裂の特徴を説明せよ」などです。
論理系記述問題は大学によって難易度に大きな差があり、他の問題集や過去問によって対策しなければいけないでしょう。
難易度と詳しさ
知識系記述問題はそれ自体知識的な難易度は高くありません。非常に細かい知識を要求されることはまれで、かん体細胞と錐体細胞のおおまかな違いなど、よく問われそうなものを丁寧に説明できる力が要求されます。
しかし記述問題の難しさは知識ではなく記述にあります。例えばかん体細胞と錐体細胞の違いについて述べる時、40字以内か100字以内かで書かなければいけない内容は変わってきます。暗いところで働く、明るいところで働くという違いだけでいいのか、それともそれ以上のことを書くのか。出題者がどんな答えを欲しがっているかを解答者は考えないといけないわけです。
そういった記述テクニックのようなものを本書は細かく一問一問説明しています。採点基準も書いてあるところはとても親切です。
使い方
本書は生物をある程度理解している中級者以上向けです。ポイントがぎゅうぎゅうに押しこまれているため、例えばかん体細胞と錐体細胞がだいたいどのようなものかわかっていないと解説はわからないでしょう。
使い方は参考書というよりは問題集として使うべきです。つまり最初から答えを見るのでなく、実際に紙に解答を書き、後で解説と模範解答を読んでください。記述力は一朝一夕に伸びず、アウトプットの地道な努力を重ねないと力がつきません。
目安としては1日に5問。全部で100問ありますが、20日くらいで終わらせて2~3週するといいと思います。本書にあげられている問題はすべて頻出事項であり、本書をおさえないで過去問の記述問題を解くのは効率が悪いといえます。
まとめ
本書は生物選択者にとって必須の参考書・問題集です。
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