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赤チャートの評価と使い方:大学受験は赤チャートレベルを要求しない

赤チャート(チャート式数学の赤色版)は数研出版の数学問題集。レベルは東大や京大よりやや上で、主な対象は数学をきわめたい人。チャート式は青チャートで基本的に十分で、勉強の効率を考えると必ずしもおすすめできない。

項目 評価
使いやすさ ★★★★
詳しさ ★★★★★
おすすめ ★★
レベル 超上級
対象 高校 2 年生~

見た目はシンプルで「解けるものなら解いてみなさい」と言わんばかり。しかし解けたときの喜びは他のチャート式より大きい。

東大も京大も赤チャートレベルを要求しない

東大も京大も青チャートで十分です。青チャートの問題をきちんと解ければ、一部の私大医学部を除いてほぼすべての大学の問題が解けるようになります。

「数学をとことんやりたい!」というこだわりがない人、つまり効率的に勉強してサクッと合格したい人には、赤チャートよりも青チャートをおすすめします。赤チャートの問題をきちんと解ければ問題ありませんが、数学はレベルが高くなるほど時間対効果が減るため、無理に赤チャートに挑む必要はない。

効果

赤チャートのレベルは新数学演習と同じくらい?

赤チャートは新数学演習より少し簡単くらい。新数学演習は最も難しく東大受験に合わないは多くの人に読まれていますが、赤チャートも同じように東大に合わない。新数学演習は「そこまで必要か…?」というレベルの問題が多く、同じ出版社では一対一対応の数学のほうが効率的です。

ただ、東大も超難問を出さないわけでなく、満点近くを狙うには赤チャートや新数学演習にある問題も少し触れる必要はあるかもしれない。慶應医学部といった変わった難問に対応したいときも役立つでしょう。

東大数学科卒が高校数学の効率的な勉強法をわかりやすく解説します:解ける問題は最後まで解かない

高校三年生になって赤チャートを始めるのはもう遅い

受験生になったら過去問の対策が必要になるため、赤チャートをやっている暇はないはず。赤チャートを解くよりも、青チャートのわからなかった問題を何回も復習するべきです。

赤チャートを使うのは高校一年生と二年生のとき。数学で圧倒的な差をつけたい、英語が得意すぎて時間にゆとりがある、という人はチャレンジしてもいいと思います。

高校一年生は英語と数学をひたすら勉強するべし

赤チャートの使い方

赤チャートは解くよりも読んでください。解くのは大学の過去問と予備校の模試で、読むのはチャート式です。

  • 過去問を解く
  • チャート式を読む

本番に合わせて問題を解くことが受験勉強のかなめで、漫然と解いてもあまり意味がない。つまり解く時間は過去問や模試といった実践的な演習にあてないといけない。

チャート式、特に赤チャートは例題を読み、まるごと覚えてください。それ以外の問題も解かないで読み、解法を覚えてください。私は各分野で数百問の典型問題を覚えていました。結局、受験の数学はパターンの暗記が不可欠だからです。

受験で暗記すべき計算

「その方法はさすがに極端だ」と思ったら頭の中で解いてください。解法の道筋だけを見つけて後はなにもしない。計算は大切ですが、駿台模試の過去問などの演習で計算します。時間制限のない特訓に意味はなく、効率はとても悪い。

極限まで追いつめられた状態で勉強してください。机に座って、ペットボトルのジュースをそばに置いて、寝たり起きたりをくりかえして勉強する人がいますね。そういうスタイルを続けていると数学の成績は伸びない。なんとなくチャート式を解いても点数は上がらない。

汚い話になってしまうけど、私はトイレの中にずらっと問題集を置いていました。トイレに入るたびに英単語を覚える、化学式を確認する、そしてチャート式の問題を読む。電車の中、学校の休み時間といったわずかな合間にチャート式を読んでください。数学の成績をさっさと上げるには、日頃の勉強法を根本的に変える必要があります。

しかしこの話を信じて実践する人はほとんどいない。ほとんどの人は根本的に保守的で、変わったやり方を信じない。逆にそれは数学を得意にするチャンスがいくらでもあることを意味します。

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