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裁判所の種類と裁判官の任命・任期・定年

裁判所は最高裁判所と下級裁判所からなる。下級裁判所は高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所、簡易裁判所からなる。戦前存在した特別裁判所(行政裁判所、皇室裁判所)は存在しない。

裁判所 主な裁判・事件
最高裁判所 上告
高等裁判所 控訴
地方裁判所 一審事件
家庭裁判所 離婚、戸籍、少年審判
簡易裁判所 軽微な事件

最高裁判所と高等裁判所は基本的に上告または控訴の裁判所である。

上告、控訴、抗告の違い

最高裁判所

最高裁判所の主な機能は日本国憲法第八十一条にある違憲審査である。これより最高裁判所は「憲法の番人」と呼ばれる。

憲法第七十七条
最高裁判所は、訴訟に関する手続、弁護士、裁判所の内部規律及び司法事務処理に関する事項について、規則を定める権限を有する。
2 検察官は、最高裁判所の定める規則に従はなければならない。
3 最高裁判所は、下級裁判所に関する規則を定める権限を、下級裁判所に委任することができる。

憲法第八十一条
最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。

最高裁判所裁判官は長官1名、その他の裁判官14名からなる。最高裁判所は15名の裁判官全員のいる大法廷と5名の裁判官のいる3つの小法廷がある。

大法廷 15名
小法廷 5名

※2016年2月現在、最高裁判所長官は大法廷と第二小法廷に属する。

裁判官の任命

裁判官 任命
最高裁判所長官 内閣が指名し天皇が任命
最高裁判所のその他の裁判官 内閣が任命
下級裁判所裁判官 最高裁判所の指名名簿に基づいて内閣が任命

裁判官の任期

下級裁判所裁判官 … 10年

最高裁判所裁判官は明確な任期がない。代わりに国民審査(最高裁判所裁判官国民審査)に付される。

憲法第七十九条
最高裁判所は、その長たる裁判官及び法律の定める員数のその他の裁判官でこれを構成し、その長たる裁判官以外の裁判官は、内閣でこれを任命する。
2 最高裁判所の裁判官の任命は、その任命後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際国民の審査に付し、その後10年を経過した後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際更に審査に付し、その後も同様とする。
3 前項の場合において、投票者の多数が裁判官の罷免を可とするときは、その裁判官は、罷免される。
4 審査に関する事項は、法律でこれを定める。
5 最高裁判所の裁判官は、法律の定める年齢に達した時に退官する。
6 最高裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。

裁判官の定年

最高裁判所と簡易裁判所の裁判官 70歳
その他の裁判官 65歳

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