エッセイ 哲学

おすすめの読書術と本の正しい読み方:同じ本を何度も読み、理解したことを人に説明する

いい読書とは、いい本を理解して読むことです。理解しない読書に意味はなく、いい本といえない本を読むこともあまり意味がない。

いい本とは偉大な人が書いた本

ビル・ゲイツのような偉人が書いた本はいい本です。経験のない人が想像を頼りに書いた本はいい本といえない。経験は価値で、経験者の言葉には価値があります。株式投資に成功していない人が「次はこの株が当たる」と言っても信じる人はほとんどいない。

本を探すときは、表紙やタイトルでなく著者名のみを見てください。書き手がニューヨーク・タイムズの元編集長だったら、それはたぶんいい本です。

おすすめの読書術

物語以外の本は次の順番で読みます。

まず目次を見て本の概要をなんとなく理解する。目次は要約になっていることが多く、目次を見れば本のざっくりした結論がわかる。目次を見て結論がわからない本は、だいたいの場合、本編を読んでも頭にあまり入ってこない。

次に終わりを読む。各章が独立して並んでいる本は各章の終わりを読む。多くの本は最後に結論や主張をもってきます。

目次と終わりを見て著者の主張がよくわからなかったら、本の始めから終わりまできちんと読もう。

結論を知ってから本編を読むと、「あれを言いたいから今これを説明しているのかな」というふうに、筆者の意図や主張を把握しながら文字を追うことができます。なにが言いたいかわからない文章をずっと読んでいると、ほとんどの人は途中で嫌になって読書を放棄するでしょう。

同じ本は何度も読む

毎年何百冊も読むという人は最悪の読み方をしている。一週間で十冊も本を読む人は、本の価値が自分の変化にしかないという真実を知らない。つまりなにも読んでいない人と変わらない。

本とは著者です。あなたは読書するとき、その書き手とコミュニケーションしています。あなたはたった三時間しか話をしていない人を信じますか? 人を信じるために必要な時間はもっと長いはずです。

同じ本を何度もしつこく読んでください。そうしない限り、あなたは本を永久に理解できないでしょう。私はこの一年でたった三冊の本しか読んでいません。

イーロン・マスクの話が Zero to One の何ページ目に書いてあるか、原著・日本語訳ともにだいたいわかります。あなたもそのくらいしつこく読んでください。

家族や友だちに本を語ろう

最良の読書術は、本のエッセンスを他人に語ることです。哲学者ハーバーマスの言うようにコミュニケーション理性が重要です。

読書は、読書という行為でなく、読書をコミュニケーションに投げこむときに価値が創造されます。孤独な読書よりコミュニケーションのある読書がいい。思想も習慣もコミュニケーションによってしか変わらない。

本について語ったり議論したりする仲間をぜひつくってください。本を読んでわかったことを人に話すだけで、読書は単なる読書以上のものになります。アウトプットがインプットを補うのです。

他人と意見を交換しながら本を読むことをjournal club(輪講または輪読)といいます。これは私のアイデアでなく、東京大学や海外の一流大学で広く用いられた教育手法です。実際、私が在籍していた東京大学理学部数学科はjournal clubの単位が卒業に不可欠でした。

読書の確認

本を見ないで要約を人に説明できたら、あなたはその本を半分は理解したといえます。その本をきっかけに行動が変わったら、三分の二は理解したといえる。

本の理解とは、本のエッセンスを行動と習慣に反映させることです。読了後に行動が変わらなかったら、本を十分に理解したとはいえない。

本を読むときに意識するべきこと:

行動に影響しなかった本は、そもそも読むべきでなかった本です。