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中学受験生と大学受験生に贈る言葉(2019年版)〜自分が1日休んでいる間、ライバルは力をつけている

この時期になると毎年「受験生に贈る言葉」という記事を掲載しています。今年は競争と限界について受験生に理解してほしいことを伝えます。

結論はタイトルの通りです。自分が1日休んでいる間、ライバルは1日分だけ自分より上をいく。ライバルは同級生かもしれないし、1000km以上離れた知らない人かもしれない。どちらにしても統計的に考えれば、休む分だけ自分は出遅れることになる。

順位はいつも変わっている

この時期は「競争」というものがどういうことか、突きつめて考える時期です。その本質がわからない人はたぶん脱落し、わかっている人は合格する。

競争の究極的な意味と捨てる戦略

競争に勝つことは、自分の能力を本質的に上げること、ではありません。自分の力を上げることは、実は本質からずれている。競争に勝つことは、競争において自分の立場を上げることを意味する。

この原則を知っている人は、相対的な立場を変えないような要素を切り捨てるところから戦略を考えます。つまり、最初に余計なものを除去する。

例えば、自分の受ける学校が「複素数」をあまり出さないとしましょう。本番は出すかもしれないし、出さないかもしれない。でもそんなことはどうでもいい。それを言ったら何も計画できず、計画のない日常生活を送っても成功はほとんどない。

「複素数」を丸ごと捨てる戦略が正しい戦略です。私は開成中学校を受験する時にこの戦略を立てました。もとより私は合格できる見こみのない劣等生だったので、国語と社会という2つの教科を丸ごと捨てていました。算数だけの成績で勝負し、算数と理科以外に目もくれないという計画をとったのです。この無謀な企みは成功し、今こうして偉そうなことを言っています。

実は同じ計画を東京大学の受験でもとりました。国語の配点が少なかったことから、最初から国語は勉強しない方針をとり、化学や物理も余計なものは捨てていました。例えば物理の「原子」は完全に放棄していました。出題されたら終わり。でもそうなったらそうなったでかまわない。出題されたら、自分の運命はそこまでだったと諦めればいい。残酷ですが、競争に勝つというのはこういうことです。

その上で自分の限界を超える

ここからは学生だけでなく、お金を稼いで生きているすべての人に共通して言えることですが、限界を超えていくような根性のありなしで人生が変わっていく。その変化は日常的に起こっており、ほとんど意識できない。正確に言うと、意識していない時点で敗北が決まっている。

ストレスに強くなる。自分にムチを打つことに抵抗がない。こうした我慢強さと精神的なタフさは合否を決める。トイレに入っている時に古文の単語帳を読んでいるか? 放課後に友だちとおしゃべりしていないか? 電車に乗っている間はいつも化学式を記憶していないか?

すべての1分に価値があることを知っている人はきっと合格します。ほとんどの人は1分をどうでもいいと思って、寝ていたり、遊んでいたりする。そしてほとんどの人は試験時間の残り1分で慌てて何かを解こうとする。時間は平等に分かれているし、1分はいつも1分でしかない。だったら今やるべきことはなんだろうか? 今この瞬間に流れている1分で、自分の運命を変える何かが得られるはずです。

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