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中学受験を考えていますが、費用面から高校受験も考えています。どちらにすればいいでしょうか?

ざっくり言うと中学受験には最低500万円の教育資金が必要です。

項目 費用
塾代(4~6年生) 300万円~(約100万円/年×3年)
受験費用 150万円~(1月または2月の滑り止め+進学校入学金+受験料)
その他問題集等 50万円(過去問など)

塾代は4年生までは割安。大手塾の授業料(テストや夏期講習などをすべて含む)はだいたい30~40万円。しかし6年生になると恐ろしいことに120万円レベルまでいきます。6年生は最後のラストスパートなので夏期講習などの特別講習は基本的にすべて受けます(受けないといけない雰囲気なのです)。4、5、6年を合計すると塾代は概ね250~300万円に落ち着きます。

基本的な授業料は一見それほど高く感じないかもしれませんが、テスト費用や特別講習などであれよあれよと100万円までいくので注意しましょう。夏期講習は受けなくていいだろうとケチると大変なことになります。

受験生にとって春、夏、冬の休み期間は実力を上げる最も重要な期間のため、特別講習を受けないと他の子に完全に差をつけられます。特別講習を受けないという選択肢は基本的に論外で、自ら合格を捨てているも同然。今までの努力がすべて台無しになります。そのため授業料は必然的にMAX値が前提となります。

  • 塾代はトータルで250~300万円。
  • 特別講習はケチらない。特別講習を受けない=不合格。

また受験費用が約150万円かかります。これは受験校によって大きく異なるため、一概にいくらと言えませんが、滑り止め校に払う分と進学校の入学料などを合わせると100万円は軽く超えてきます。

また過去問など独自で用意する教材に50万円ほどかかります。例えばネットオークションで第一志望校の過去30年分を落札する時、塾の問題集のレベルが合わない時などにお金がかかります。

ここでは中学受験の費用を500万円とします。

高校受験にかかる費用

一方の高校受験はどうか? こちらも決して安くはありませんが、中学2年生から塾(春・夏・冬期講習)に通うケースで2年間総額300万円ほどかかります。これには塾代の他、各種テキスト代、受験費用、入学金等をすべて含まれています。

※高校受験は理社が入るか入らないかで費用がだいぶ変わってきます。理社込みの講習等費用は理社なしに比べて2倍ほど割高になります。理社なしだと300万円は200万円前後まで抑えられるでしょう。

※高校受験は中学3年生になってから対策するのでは手遅れで、中学2年生春までに塾に通うなどの準備を始めなければいけません。

高校受験は大学受験と同じように目指す学校の偏差値によって授業料がかなり変わってきます。それは早稲田アカデミー等のリーディングカンパニーが授業を細分化しているためです。大学受験で医学部とそれ以外で2~3倍以上も費用が変わってくるように、高校受験でも偏差値が高いほど費用が膨らむ。トップ校は理社も要求するところが多いのでさらに割高に。

ここでは高校受験の費用を300万円とします。

中学受験と高校受験の比較

  • 中学受験 500万円
  • 高校受験 300万円

しかし中学受験を経て私立中に通うと年間50万円ほどの授業料が毎年かかる。一方中学受験をしないで公立中に通うとそれがない。この差は3年間合計150万円ほど。高校1年生までにかかるトータルの教育費はこのようになります。

  • 中学受験~中学3年生 650万円
  • 高校受験 300万円

つまり350万円ほども変わってきます。

中学受験は子どもに広い視野をもたせられる

費用以外の面で中学受験と高校受験を比較すると、子どもの成長と大学受験を見据えたメリットから中学受験にかなり分があります。

その一つに中高一貫校生は広い視野を持つことができる点があげられます。中高の間に受験という余計なイベントがないため、学校の運動会や文化祭といった青春を彩るイベントに集中できます。受験というイベントを喜んで受け入れる子はいません。しかし文化祭は喜んで準備するでしょう。高校受験がないおかげで子どもたちが本来取り組みたいイベントに取り組むことができるのです。

また入学してから高校2年生くらいまでの長い時間にわたって自分と社会を見つめる猶予が与えられるので、プログラミングを勉強してソフトを開発するとか、友だちと一緒にビジネスを始めるとか、社会に出てから必要となる知識や姿勢を早いうちに習得できるかもしれません。

中学受験より高校受験のほうが偏差値が高く出てしまう

中学受験のトップ校の多くは高校受験をもうけておらず、それが高校受験の偏差値を極端に上げている要因となっています。例えば青山学院は中学校偏差値が56、高校偏差値が69(市進偏差値、2016年春(平成28年度)入試用国立・私立 高校偏差値ランキングより引用)となっており、3年ずれただけで難易度が桁違いに難しくなっています。

そのため中学受験だったら普通に入れたのに、高校受験にしたがために入れなくなったという事態が起きるわけですね。偏差値の高い高校を出たいという希望があるなら、中学受験はどうしても外せなくなります。

中学受験から高校受験になると偏差値がとんでもなく上がってしまう例

学校名 中学受験偏差値 高校受験偏差値
青学 56 69
巣鴨 59 67
早実 65 不明(偏差値が出ないほど高い)
十文字 41 62

2016年春(平成28年度)入試用国立・私立 高校偏差値ランキングより引用

ほぼすべての学校で偏差値は10程度上がります。早稲田実業のように高すぎて偏差値が出ないという学校も。

結論

中学受験にするか高校受験にするかは、まず予定費用を計算して中学受験の500万円というコストに納得できれば中学受験に、納得できなければ高校受験にしたほうがいいかもしれません。コスト抜きでは中学受験にメリットがありすぎるため、中学受験を強くおすすめします。

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