単糖類グルコースの還元性と六員環・鎖状構造
グルコース(C6H12O6)は単糖類の一つで、ブドウ糖ともいわれる。水によく溶けて、血液中にも含まれる。
グルコースは生物のエネルギーをつくる最も重要な物質で、呼吸とはグルコースを低分子に分解してエネルギーをとりだす反応をいう。
グルコースの構造
グルコースは環状と鎖状の構造をとる。環状グルコースはさらにαグルコースとβグルコースの二種類がある。つまりグルコースの構造は3パターンある。
αグルコース
βグルコース
鎖状グルコース
下図をよく見ると、αグルコースとβグルコースの構造が一部反対になっていることがわかる。すなわちαグルコースからβグルコースに直接変化することはできない。
αグルコース↔鎖状グルコース↔βグルコース
αグルコースと鎖状グルコース、鎖状グルコースとβグルコースは自由にいききできる。
αグルコース、βグルコース、鎖状グルコース
αグルコース
βグルコース
鎖状グルコース
αグルコースとβグルコースは一番右の炭素についている水素とヒドロキシ基の向きがちょうど反対。この構造の違いがとても重要。
αグルコースとβグルコースの環状構造が解かれると鎖状グルコースになる。鎖状グルコースはアルデヒド基をもつため、グルコースは還元性をもっている。
グルコースのポイント
高校化学においてグルコースは天然高分子の最重要分子で、構造式と還元性の根拠を求める問題は毎年のようにどこかの大学で出る。グルコースは
- αグルコースとβグルコースの構造式を書けるようにする(特に医学部)
- なぜ還元性をもっているか答えられるようにする
- ブドウ糖という別名と分子量180を覚える
グルコースの分子量はちょうど180。この数字も必ず覚えよう。
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