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高校倫理 啓蒙思想(モンテスキュー、ヴォルテール、百科全書)

啓蒙思想とは、理性を重視する思想である。キリスト教や政府の伝統的権威を否定し、理性・合理性を重んじる。

「啓蒙」は英語で「enlightenment」、「啓蒙する」は「enlight」という。文字どおりに読むと「光を中にもってくる」となるが、この「光」とは「理性」である。

啓蒙思想は理性と自由を支持するが、啓蒙思想家はさまざまな政治的立場をとっていた。

啓蒙思想家

高校倫理ではヴォルテール、モンテスキュー、ディドロ、ダランベールを習う。

人物 思想・業績
ヴォルテール 「カンディード」
モンテスキュー 三権分立
「法の精神」
ディドロ 「百科全書」
ダランベール 「百科全書」

ヴォルテール

ヴォルテールは啓蒙思想を代表する思想家で「カンディード」の作者。フランス絶対王政に否定的だが、ロシアの啓蒙専制君主エカテリーナ二世やポンパドゥール夫人と交流があった。ヴォルテールは絶対王政そのものに否定的だったわけでない。

モンテスキュー

モンテスキューは著書「法の精神」において三権分立を提唱し、国の権力を立法権(国会)、行政権(内閣)、司法権(裁判所)に分立させる仕組みを考えた。イギリスの政治思想から影響を受け、フランスの絶対王政に批判的だった。

モンテスキューとモンテーニュ(モラリスト)は名前が似ているが別人。

百科全書

「百科全書」は、多数の思想家の寄稿と、ディドロとダランベールの編集によって出版された百科事典。この執筆に参加した者は百科全書派といわれる。ヴォルテールやルソーも百科全書の出版に携わった。

百科全書自体の内容は多様で、ジャンルは多岐にわたるが、政治的な内容が多くふくみ、キリスト教世界と専制政治を批判した。

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