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国会の役割(衆議院の優越、予算の議決、内閣総理大臣の指名)

憲法第41条は国会を「国権の最高機関」と定める。

国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。
(日本国憲法第41条)

衆議院と参議院の選挙制度

衆議院 … 被選挙権25歳以上、小選挙区比例代表並立制、解散あり
参議院 … 被選挙権30歳以上、選挙区制と比例代表制、解散なし

衆議院の優越:法律案の議決(憲法第59条)

衆議院がある法律案を可決したとする。参議院がそれを否決または60日以内に議決しない時、衆議院の出席議員の3分の2以上で再可決すれば成立する。

第五十九条 法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。
衆議院で可決し、参議院でこれと異なつた議決をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再び可決したときは、法律となる。
前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が、両議院の協議会を開くことを求めることを妨げない。
参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて六十日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。
(日本国憲法第59条)

衆議院の優越:予算の議決(憲法第60条)

予算は最も重要な議決事項であり、衆議院が先議する。衆議院が可決した予算は、参議院がそれを受け取って30日以内に議決しない時、衆議院の議決が国会の議決になる。

第六十条 予算は、さきに衆議院に提出しなければならない。
予算について、参議院で衆議院と異なつた議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は参議院が、衆議院の可決した予算を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて三十日以内に、議決しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。
(日本国憲法憲法第60条)

衆議院の優越:条約の承認(憲法第61条)

条約の承認は予算の議決に準じる。

第六十一条  条約の締結に必要な国会の承認については、前条第二項の規定を準用する。
(日本国憲法第61条)

衆議院の優越:内閣総理大臣の指名(憲法第67条)

衆議院と参議院の指名が異なった場合、両院協議会を開く。そこで意見が一致しない場合、衆議院の指名が国会の指名になる。

また衆議院が指名した後、参議院が10日以内に指名しない場合、衆議院の指名が国会の指名になる。

第六十七条 内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。この指名は、他のすべての案件に先だつて、これを行ふ。
衆議院と参議院とが異なつた指名の議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は衆議院が指名の議決をした後、国会休会中の期間を除いて十日以内に、参議院が、指名の議決をしないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。
(日本国憲法第67条)

過去、衆参の指名が一致しない場合が5回あり、そこで憲法67条が使われた。以下、衆議院の指名、参議院の指名の順。

  1. 1948年 芦田均 吉田茂
  2. 1989年 海部俊樹 土井たか子
  3. 1998年 小渕恵三 菅直人
  4. 2007年 福田康夫 小沢一郎
  5. 2008年 麻生太郎 小沢一郎
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