連載 メディアと広告のニヒリズム

インターネットがつまらなくなった歴史をざっくりふりかえる:ネットを楽しむコツはお気に入り登録

この数年で、つまらなかったインターネットがもっとつまらなくなりました。ここでインターネットの歴史を(私が知っているかぎりで)ざっくりふりかえってみます。

2005年まで、インターネットはたぶんユニークで面白かった

私は中学3年生のとき、つまり2002年にGoogleを使っています。Yahoo!のごちゃごちゃした感じがとても嫌いだったので、すぐにGoogle派になりました。その頃、私の同級生は2ちゃんねるを見ていましたが、私は何度か見て不愉快になったせいで、今の今までほとんどアクセスしていません。なので、この巨大掲示板についてほとんど知らない。

私が高校生の頃、インターネットは実に多様でした。ちゃんとしたウェブサイトもあれば、個人がつくった奇怪なものもある。開くと突然音楽が鳴ったり、でかい猫がぐるぐる回ったりするようなやつが山のようにあった。ほとんどのサイトはこのサイトと同じように一方的になにかを発信しているだけで、誰かとコミュニケーションをとるためのシステムはない。

2003年くらいの頃は、デザインがボロボロで、個人の趣味がぎっしりつまったサイトがたくさんありました。高校生は知的好奇心が爆発させているため、かなり色眼鏡があるでしょう。それでも今のインターネットよりはまともだったと思います。まともというのは、一定の知性と向こう見ずの好奇心がうまく配合された世界ということです。

雰囲気ががらんと変わったのは、おそらくニコニコ動画からです。私の主観にすぎませんが、ニコニコ動画が登場する前と後で日本のインターネットは違います。それまではテキスト文化で、悪く言えば味気ない世界だったのに、ニコニコ動画が生まれてからテレビとインターネットの境界が薄くなった。白黒からカラーになったような感じ。

それまでのインターネットは個人が主役でした。個人がDreamweaverなどを使ってサイトをつくり、趣味丸出しの黒歴史サイトを公開する。しかしニコニコ動画が生まれると、ユーザーは気軽に動画を投稿し、そこに別のユーザーがコメントを残してコミュニケーションをとるという新しい文化が生まれた。

つまり自己主張からコミュニケーションへと変わった。たぶんそれがインターネットをつまらなくした。

iPhone発売でインターネットはもっと近くになった

iPhoneが出てくる前、私たちはパソコンをつけてインターネットに接続してました。つまりベッドでごろんと横になってこのサイトを見ることはできなかった。

が、スティーブ・ジョブズがiPhoneを発明したことで、トイレにいながらペンギンの写真を見ることができるようになった。インターネットがもっと身近になり、リアルとインターネットの境界がほとんどない状態になっていきます。

この頃、インターネットで流行っていたものはTwitterとFacebookです。私はどっちも嫌いだったのですが、周囲に合わせるようにアカウントを作りました。そしてクソみたいなツイートをして「これはなにが面白いんだ?」と何年も自問自答していた。

言うまでもなく、TwitterとFacebookは社会を殺伐とさせた張本人で、世界を変えるという創業者の夢はある意味で達成されたでしょう。

2010年頃、Twitterはまだまともな世界だったと思います。2012年頃からiPhoneでツイートすることが当たり前になると、バカな発言が注目されるようになると同時に、フォロワーの獲得競争が本格的になっていきました。

それまで曖昧にツイートしていたユーザーは、フォロワーを集めて有名人になるという目的のためにツイートするようになります。このへんからインターネット発の有名人がぽつぽつ登場するようになりました。この時期はアメブロ、ライブドアブログ、はてなブログを使ってマーケティングする人間が増えていたので、Twitterもブログと同じくマーケティングツールになりました。

はい、おしまい。これがつまらなくなった原因です。インターネットがつまらなくなった原因は、「僕はこんなマニアックな趣味をもっているんだ。わかる人いる?」と発信する人が減って、「こうすれば儲かる」という発信が増えたからです。

YouTuberとブロガーによるインターネットの蹂躙

そしてYouTuberはパズドラの躍進を利用して一気にメインステージに立ち、インターネットの配信が金になることを証明しました。パズドラもまたYouTuberに助けられて成長した。インテルとマイクロソフトのような関係はいつもどこでもあるのです。

ブロガーはTwitterとブログを利用して集客し、アフィリエイトのリンクを踏ませることに命をかけます。こうして検索エンジン最適化がブームになり、大衆向けの安っぽいコンテンツが大量生産されて、マニアックなものはどこかに消えてしまった。

インターネットがつまらなくなったのは、最大公約数的なコンテンツが増えたせいです。私たちは公約数ももっていますが、それ以外の素数はずっと人間らしい部分をつくっています。結果、消化不良になって、インターネットから食べるよりもインターネットに出すほうを優先するようになった。

そのはてにドナルド・トランプがいるし、あらゆる価値観の対立があります。インターネットは面白いものじゃなくて、イライラするだけのものになりました。

どうすればインターネットは面白いものになるのか?

このサイトをブックマークして毎日チェックしてください。そうすればインターネットは面白いものになります。つまり、検索エンジンやソーシャルメディアを使わないで、ユニークなサイトにダイレクトアクセスすればいいのです。

自分の好きなサイトを見て、自分の嫌いなサイトは見ない。ノイズキャンセル機能のついたイヤホンをすれば、音楽はより美しく聞こえます。同じようにインターネットのノイズを消せば、インターネットはよりまともになります。

私もたくさんのウェブサイトをお気に入りに登録して直接飛びこんでいます。プログラマーならスタック・オーバーフローだけを見ていればいいし、トレーダーならブルームバーグだけを見ればいい。エッセイが読みたいならこのサイトを見ればいいし、教育のことならこのサイトを読めばいい。それでほとんど解決する。