ホットとクールのメディア:AppleとアマゾンのCM、アルファベットのロゴからわかる訴求のトレンド
ホットなメディアとクールなメディアがある。例えばAppleのコマーシャルはクールで、アマゾンのコマーシャルはホットだ。このサイトはおそらく氷のように冷たいメディアで、書き手の人間味が感じられない。
メディアは書き手の温度を伝える。メディアはコンテンツを伝えるが、同時にそのメディアのアイデンティティーを伝える。最も成功しているインターネット・メディアの一つはワイアードだが、ワイアードはワイアードという特別な温度を読者に伝えている。メディアはコンテンツありきだが、私たちはそれだけでメディアを判断しない。温度もまた、コンテンツと等しく重要な影響力を持つのだ。
結論:温度がわからないメディアはホット、クールなメディアは脱クールを目指す
これまでAppleとアマゾンは大きなトレンドを作ってきた。そのトレンドは無数の社会的変化をきちんと分析して得られ、今もなお他のメディアを牽引している。例えば、AppleのクールさはSnapに受け継がれている。
Appleとアマゾンは今後、どのような温度を持っていくのだろうか?
Appleのコマーシャルはクールで、スティーブ・ジョブズもクールだが、Appleは確実にクールさを減らしている。今月(2018年9月)に開催されたAppleの製品発表会を見ても、ティム・クック氏の穏便で人間味のある態度から、Appleがどこかでホットさを増やしているとわかる。
アマゾンはもともとクールさもホットさも求めていない会社に見えるが、最近のコマーシャルは温かさを主張している。荷物が笑う、子どものために親が商品を買ってあげる、といった描写はとても人間味があり、自然である。
メディア全体がホットを目指す理由
クールは人をひきつける。特に若者の関心を高め、購買意欲を高める。クールなものはブランド価値があり、それを所有する(知っている)ことはステータスだと認識させやすい。
しかしクールなブランドも限界がある。この現象は、まだ広く知られていない歌手が一気に有名になると、古くからのファンが少しずつ離れてしまう現象とほとんど同じである。人はインディーズに関心があり、しかもマニアックであればあるほど素晴らしいと感じる側面を持つ。
「あのバンドは俺たちしか知らない。あの振り付けの良さは俺たちにしか理解できない。他の一般人は見る目がないから、俺たちの趣味がわからない」
クールは少数派という概念と密接につながっている。過激なWindows支持者ともっと過激なMac支持者の不毛な争いはここから生じる。もちろん本人たちは、正当な理由を掲げており、断じて「多数派に属していることの優越感」や「少数派に属していることの優越感」を言わない。それを言ったら負けだと薄々気づいているからだ。
しかし私たちの趣味は、同じ趣味を持っている人たちの人数から確実に影響を受ける。インディーズバンドの熱狂的なファンが異常な使命感、つまりそのバンドを友だちにおすすめしながらも、締め出そうとする使命感に浸るのは、このせいである。
クールなメディアや文化はこうして栄えていくが、一定以上の支持者を獲得すると、ファンの使命感は倦怠感に変わり、支持することそのものに疲れていく。クールは少数派に属していたからこそクールだったが、今やそのグループ人数は巨大だ。自分が熱心に普及活動しなくても、誰かが勝手に普及していく。そうみんなが思ってきたとき、衰退は始まる。
衰退が始まると、クールはとりえでなく足かせになる。そこで人気歌手はよりファンとコミュニケーションをとる、つまりホットな演出を増やして、それまでなかった付加価値を生み出していく。これがクールな製品や文化がたどっていく共通の変化であり、Appleもおそらく今年から来年にかけてが大きなターニング・ポイントになっていることを理解しているからこそ、カラフルなスマートフォンを販売しようとしたとも考えられる。
青から赤へ
ブランドの温度は、ロゴの色でほぼ明らかになる。青はクール、赤はホット。
青いロゴで有名な会社は、インテル、フェイスブック、ツイッター、そしてグーグル。グーグルはカラフルだが、青を最も強調している。
赤いロゴで有名な会社は、ネットフリックス、Airbnb、アリババ、そしてテスラ。この4社はどれもめざましい成長をとげており、ネットフリックスの時価総額はすでにソフトバンクを超えている。
ネットフリックスやテスラは2010年代に作られた会社ではないが、2010年代から大きく成長している。2000年代に熱狂的なファンを獲得したサービスが青だとすれば、近年は赤だと言える。
青から赤という大きなトレンドはまさに、クールからホットという大きなトレンドを反映しているが、これはグーグルとアルファベットで決定づけられたかもしれない。グーグルは青を強調しているが、親会社のアルファベットは赤色のロゴを採用している。
ネットフリックスはクールだが、氷のようなクールさを醸したいなら青色のロゴでよかったはずだ。しかしロゴは赤色のままであり、私たちもそれを自然に受け止めている。コカ・コーラなどの食品がたいてい赤色を採用しているのは、赤色が食欲をそそるからだが、赤色は同時に親近感と人間味を持つ。私たちの血は赤色だ。
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