Irohabook
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アメリカと中国の対立は新しい民主主義を生む

2020年~2050年の予言(日本と世界の未来)で世界経済は米中を軸に割れると書いたが、そのとおりになるかもしれない。

東のブロック経済は中国とロシアが中心になり、西のブロック経済はアメリカとヨーロッパが中心になる。今の状況を考えると、中国から工場とサプライチェーンを引きあげる西側の会社が増えてもおかしくない。

注:この記事に学術的な価値はまったくない

新しい民主主義

ほとんどの人に失笑される覚悟で言うと、私は新しい経済圏が(ほぼまちがいなく西側で)数年以内に生まれ、アメリカに続く第三極になると確信している。中国が覇権をとる時代はこない。

この新しい経済圏はくだらないインターネットのプロジェクトから生まれる。

古いキリスト教世界から脱出したヨーロッパ人がアメリカを建国したように、新しい自由と公平な経済システムを求めて、ユーザーたちは「インターネット州」に集まる。私たちは数年かけて

  • 自由とはなにか?
  • 公平とはなにか?
  • 目的とはなにか?
  • 民主主義とはなにか?

を問い、東西のイデオロギー対立を超えた新しい社会秩序を生むことになる。この新しい民主主義、インターネット州が東西対立のクッションになり、東は東で、西は西で内部分裂する。これが 2040 年の世界である…ということは2020年~2050年の予言(日本と世界の未来)でそれとなく述べた。

比例配分市民権プロジェクト

ポピュリズムの台頭、民主主義の腐敗、行政の硬直化があらゆる先進国で起きているが、インターネットのプロジェクトは国を超えて成立する。

インターネット州は、株式の議決権と同様に、市民権そのものを資産に応じて発行する。市民は納付でなく資産の一部を国に信託し、信託に応じて議決権を行使できる。憲法によって信託の独占が起きないようにすれば、原始的な議会は完成する。インターネットをもとにした州は、普通の国の土地を借りない限り、国際社会になんら影響を与えない。

このプロジェクトは、参加者全員が政治哲学を尊重する限り、ネットワーク効果によって指数関数的に経済成長する。行政コストはあらゆる科学の進歩を妨げているが、インターネット州はソフトウェアそのものであり、維持のコストはほとんどない。

アメリカと中国の対立は、民主主義と共産主義の対立だが、自由意志と決定論で述べたように、社会進化の本質は「人の嘘」である。欺瞞が社会と経済の原動力であり、欺瞞は対立から起きる。民主主義は「平等」という偽りの正義を主張するが、この不誠実さを理解しない人は高校生だけだ。

人の数百倍も納付している人と、無税の人が同じ参政権をもつことは本当に平等だろうか。すべての人が同じ権利を主張できる土地は、権利に合うだけの責任を放棄した悪人に都合がいい。結局、民主主義は本質的に嘘をついている。

中国は欺瞞をふりかざして他の地域を一国に組みこもうとするが、当人は欺瞞を決して認めないだろう。東西のイデオロギーはどちらも言い分があり、どちらも嘘をついている。そして世界史は欺瞞から変化が起きる。その最大のものがルターの宗教改革だった。

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