米国株式で注目するべき高配当株:インフレーションと原油高に強い銘柄はなに?
インフレーションと原油の高騰、ロシアとウクライナの緊張によってアメリカの株式市場はボラティリティが大きい相場となっています。その中でアルトリアといった高配当株は横ばい状態。ここでは今注目するべき高配当株をあげてみます。
Verizon
Irohabook ポートフォリオにふくまれる Verizon はアメリカの大手通信会社。日本の KDDI にあたるこの会社の配当利回りは 4.8% です。AT&T と Verizon は半年以上にわたって長期的に下落。

Russell 2000 や NASDAQ が全体を下げ、資金が小型株から大型株に流れるなか、Verizon は Apple などの成長株より選好されていない状態です。
インフレーションが長期化してバリュー投資が再び見直されるようになれば、Verizon も一昨年の水準に戻る可能性は十分あります。
ただし Chevron などの大型石油株が上がり、高配当株の平均パフォーマンスはこの数年でピークに達しつつあることは注意しなければいけません。このパフォーマンスは原油高とコモディティスーパーサイクルが主要因であるため、高配当株の中で二極化が進んでいます。
IBM
IBM は典型的な高配当・低成長企業であり、現在の配当利回りは 5.05% となっています。
IBM の収益
2015 : 81.74B
2021 : 57.35B
収益が減るなか、粗利益 gross profit はそこまで急減していないため、低い PER とやや高めの P/S が並行しています。ビジネスモデルは効率がよく ROE は 24% です。
IBM はデータとクラウドにかかわるサービスを提供しますが、この領域は Oracle, Salesforce, Microsoft, Amazon, Google が激しく競争し、プライベート市場ですでに高値がつけられるベンチャー企業も多くあります。
IBM は量子コンピューターでリードしていますが、優位性の高いビジネスに乏しいため、高配当という理由で買うのはリスクが高いでしょう。しかし IBM は Dividend Aristocrats であり、26 年連続で配当を上げています。
ここまでをふまえて、坂本真一郎は IBM と Chevron を同じセクターとみなしています。「競争優位性に乏しいが、過去の資産を効率よく活用して利益を生み、配当をきちんと出している、マイナス成長の大型株」セクターの代表が IBM と Chevron となります。
このセクターは長期的なキャピタルゲインはほとんどみこめず、IBM も昨年は 110〜150 ドルを往復しました。

IBM を買うときの戦略は
- 底値で買い
- 高値で一部を利益確定し
- 残りで配当金を得る
ことです。株式投資の基本に忠実になれば、IBM の株数を増やしながら安定して配当金を得ることができます。
IBM のビジネスはインフレーションと原油高から遠く、株価は競合他社の成長と株式市場の全体的なトレンドによって動きます。今年はインフレーションと金利上昇、そして消費者の購買カテゴリーの変化がポイントになりますが、この会社はそのいずれにも耐えます。
注意
この記事は坂本真一郎の見解であり、教育を目的としています。投資は自己責任であり、坂本真一郎と Irohabook はあなたの投資に関していっさいの責任を負いません。
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